単純な生活 / 気がつけば本を読んでいる

読書日記、ときどきブックガイド、的な。

お金の使いかたとプルーストばあちゃん

 

 出勤する電車の中で『三千円の使いかた』の続きを読む。

 お金に関する情報がいろいろと書かれている。家計簿のこととか、節約の仕方とか。ガッツリと書かれているわけではなく、それをネタにした小説って感じ。情報小説ってことか。

 第3話まで。

 

 職場のある駅で降りて、ホームのベンチに座る。いつも、すぐには仕事に向かわず、次の電車が来るまで10分ほど、ここで読書の続きをする。すごく本が読みたい気分かと言うと、そうでもなくて、ようするに、仕事をするのが嫌なだけで、なるべく職場に着くのを遅くしているのである。だったら1本遅い電車に乗ってくれば良いようなものだが、それだと電車を降りたらすぐに仕事に向かわなければならず、それがなんだか嫌なのである。電車1本早く着いて、ベンチで余裕をかまして本を数ページ読んでから仕事に行くのが良いのだ。

 まっ、面倒くさい奴だとは思う。

 

 

 電車から降りて、仕事に行く前にベンチで本を読む奴なんて自分だけだと思っていたら、さいきん同じ行動ととっている人を発見した。しかも同じベンチで。

 70歳くらいの白髪の女性。おばさんと言うよりは、品の良いおばあちゃんと言った感じ。その人は、電車から降りると、まず自販機でジュースを買って、それを持ってベンチに座る。バックの中から本を取り出して読み始める。その人の周りだけ、あきらかに違う時間が流れている感じを受ける。

 こうなると、なにを読んでいるかがすごく気になる。で、今日、ちらっと覗いてみて驚いた(覗いたというより、たまたま表紙が見えたのであるが)。なんとプルーストの『ゲルマントのほう』である。『失われた時を求めて』の第3部である。と言うことは、この品の良いおばあちゃんは第1部の「スワン家のほうへ」も第2部の「花咲く乙女たちのかげに」も読破したと言うことか…? わたしは、はるか昔にスワン家のほうへ行こうとして道に迷って、けっきょく辿り着くのを諦めたというのに…。

 その人のことを、今日からプルーストばあちゃんと呼ぶことに決めて、職場へ向かう。

 自分が挫折した本を夢中になって読んでいる人を見ると、なんだかちょっと嬉しくなるのはなぜだろう…?

 

 山田登世子・編訳の『モーパッサン短篇集』(ちくま文庫)を読み始める。

モーパッサン短篇集 (ちくま文庫)

モーパッサン短篇集 (ちくま文庫)

 

 

 いま読んでいる本は、次の5冊。

 1. 『読書の日記 / 阿久津隆』

 2. 『三千円の使いかた / 原田ひ香』

 3. 『モーパッサン短篇集 / 山田登世子・編訳』

 4. 『人生は彼女の腹筋 / 駒沢敏器

 5. 『街の博物誌 / 河野典生

 河野典生の『街の博物誌』は、今日読み始めた本。街を舞台にした幻想的な短編集。まだ最初の「メタセコイア」を読んだだけだが、かなり面白い。