単純な生活 / 気がつけば本を読んでいる

読書日記、ときどきブックガイド、的な。

ずっと『ガルヴェイアスの犬』を読んでいる。

 

 『ガルヴェイアスの犬』を読んでいる。

 ポルトガルのちいさな村ガルヴェイアスに突然巨大な隕石が落ちてくる。村中に硫黄の匂いが漂い、それ以来村は少しずつ狂い始める。狂い始めるというか、それまで裏に隠れていたものが表に噴出し始めるのである。

 なんだか、スティーヴン・キングがエンタメ感満載で書きそうな話しだけど。さすがにキング師匠のようなケレン味たっぷりなストーリーではなく、ガルヴェイアスに暮す人々の時間をじっくりと描いていく。もちろん犬のことも。

ジュスティノ爺はベッドの向こう側にまわった。前夜着ていた服が椅子の背にかけてある。一枚一枚、身に着けた。ブーツを履いた。ブーツは緩くなっていた。何年も履いて型が崩れているのだ。

 妻をもう一度上掛けでくるんでやった。

 台所でハンチング帽を被り、猟銃を肩に掛けた。

 モス谷の道、村へと続く道、雨のなか、ジュスティノ爺の瞳の焦点はしっかりしていた。犬がついてきた。後に引くことのできぬ決意を胸に、前へ前へと進むと、足がついてきた。水たまりに足をとられ、石につまずき、それでも揺るがない。雨が顔をつたい、髭にはいりこんできた。

 兄を殺すのだ。     『ガルヴェイアスの犬』 ~p.54

   凄い。ここを読んだあと、しばらくぼんやりしていた。

 

 

インターンズ・ハンドブック / シェイン・クーン』を読み始める。

インターンズ・ハンドブック (海外文庫)

インターンズ・ハンドブック (海外文庫)

 

  暗殺請負会社の、もうすぐ引退する腕利き暗殺者が、後輩たちへの教則本というかたちで語る最後の事件。

<ヒューマン・リソー社>の新入社員諸君、就職おめでとう。お悔やみを言わせてくれ。だが少なくとも、きみたちが始めようとしている仕事は退屈とは無縁だ。きみたちは興味深い場所に行く。さまざまな職業の個性的で刺激的な人々と出会う。そして彼らを殺す。大金を稼ぐ。だがそんなものは、最初の仕事をこなしたあとではどうでもよくなる。殺し屋稼業は、映画ではいとも簡単に描かれているが、地球上でもっとも難しく、ストレスの多い、孤独な仕事だ。これから先、誰かが自分の仕事について愚痴をこぼすのを聞くたびに、吹きだしそうになるのを必死でこらえることになるだろう。万人に向いている仕事でもない。きみたちの大部分は身をもってそれを知ることになる。一カ月以内に死ぬからだ。まだ訓練期間のうちに。 ~p.12

  オフビートってやつやね。

 

 ガツンと長い小説を読んでみたい気もするのだが、何を読んで良いのやら迷う。

 雑誌「考える人 2008年春号」が“海外の長編小説100”という特集をやっていて、そのリストをコピーしてもっているのだが、「失われた時を求めて」「カラマーゾフの兄弟」「戦争と平和」「白鯨」「ユリシーズ」とたたみかけられると、うぐぐっと腰が引けてしまう。生きている間に読み切ってしまいたい気持ちはあるのだが。