単純な生活 / 気がつけば本を読んでいる

読書日記、ときどきブックガイド、的な。

鹿島茂の『子供より古書が大事と思いたい』を読む

 

出勤の電車のなかで、Paul Carrackの『These Days』。

These Days

These Days

 

 

去年の夏に出た新譜。

安心して聴けるポップ・ソング。ジャケットも良い。

 

 

 

鹿島茂の『子供より古書が大事と思いたい』(青土社)を読む。

子供より古書が大事と思いたい 増補新版

子供より古書が大事と思いたい 増補新版

 

 

稀覯本マニアの著者による、開き直りの書。

 

私が本を集めるのではない。絶滅の危機に瀕している本が私に集められるのを待っているのだ。とするならば、私は古書のエコロジストであり、できるかぎり多くのロマンチック本を救い出して保護してやらなければならない。これほど重大な使命を天から授けられた以上は、家族の生活が多少犠牲になるのもやむをえまい。

~14p

 

ロマンチック本というのは、著者が蒐集の対象としている19世紀フランスで出版された挿絵本のことである。

ある日、ロマンチック本の美しさに憑りつかれた著者は、あっという間に熱烈な愛書家へと変貌するのだ。

家族は、たまったものではない。

 

著者がパリに住んでいた頃のこと。

パリにある古本屋をあらかた見てしまった著者は、地方への探書の旅を計画する。もちろん家族には、その目論見は隠したまま、一家4人はホンダのシビックに乗ってフランスの田舎町へと出発する。

トゥールという町で事件は起こる。

とある古書店で、著者は、『十九世紀ラルース』という、ずっと探していた本を見つけてしまうのである。しかも値段は想定額よりずっと安い。

ただし、17巻本である。

しかも、重い。1巻4.5キロ×17=76.5キロである。

古書店主は、持ち帰るなら売ってやると言う。

買ってしまうのだ、これを。

重さも問題だが、それより車にスペースがない。

親子4人が乗っている上に、旅行の荷物もある。

 

困ったのは、これを積み込む空間である。トランク・ルームには五冊までしか押し込むことはできない。とすると、残りは、子供二人が座っている後部座席ということになるのだが、やってみると、九冊のラルースが完全に一人分の座席を占有した上、残りの三冊がもう一人分の座席にもはみだしている。さて、弱った。二人の子供を乗せる空間がなくなってしまった。(中略)しかたがない、こうなったら、下の子供を女房に抱かせて助手席に乗せ、上の子供は、ラルースの上に座らせておくことにしよう。不自由だろうが、これ以外の解決策はない。

~161p

 

 家族にいたく同情してしまう。

同情しつつ、つい笑ってしまうのだが。

 

稀覯本を手に入れるための借金の話など、狂気としか思えないエピソードが満載である。

愛書家、恐るべし。

 

 

コンビニで発見。

つい買ってしまう。

明治 ザ・チョコレートゆず 50g×10箱

明治 ザ・チョコレートゆず 50g×10箱

 

 

 クリシュナムルティという、わたしの好きな思想家が「チョコレートは悪魔の食べ物じゃ!」と強く断じているが、おそらく、めちゃくちゃ好きだったんじゃないかと思う。誘惑に負けそうになる自分を厳しく戒めていたのだろう。

気持ちは、わかります。