単純な生活

映画・音楽・読書について、だらだらと書いている

どうかしている(笑)

▶休日なのに、5時起床。

いつものように、かならず朝は来るな(笑)。

 

 珈琲を飲みながら、Steve Forbert の「Early Morning Rain」を聴く。

 

Early Morning Rain -Digi-

Early Morning Rain -Digi-

  • アーティスト:Forbert, Steve
  • 発売日: 2020/05/01
  • メディア: CD
 

 

去年出た新作。

Grateful Dead のBox of Rain とかやってて、良い。

 


Steve Forbert - Box of Rain (Official Music Video)

 


Steve Forbert - Romeo's Tune - 10/7/2019 - Paste Studio NYC - New York, NY

 

 格別うたが上手ってわけではないのだが、妙に癖になるひと。

 

 

▶草森伸一の『本が崩れる』(中公文庫)を読む。

 

随筆-本が崩れる (中公文庫)

随筆-本が崩れる (中公文庫)

  • 作者:草森 紳一
  • 発売日: 2018/11/21
  • メディア: 文庫
 

 

著者は、2LDKのマンションに数万冊の本と共に生活している。

ある日、その本の一部が音を立てて崩れ、著者は風呂場に閉じ込められてしまう。

本が、浴室のドアを塞いでしまったのだ。

 

 ドドッと、本の崩れる音がする。首をすくめると、またドドッと崩れる音。一ヶ所が崩れると、あちこち連鎖反応してぶつかり合い、 積んである本が四散する。と、またドドッ。耳を塞ぎたくなる。

~11p

 

ドアは、押しても引いてもびくともしない。

絶体絶命状態。

凄いのは、浴室(正確には脱衣所)もまた天井ちかくまで本の山だと言うところだ。

そこで著者は、なんと、脱衣所に閉じ込められたまま手近の本を山から抜き出し、読み始めるのである。

どうかしている(笑)。

 

 なにを読もうか。読書の快楽を忘れて、時久しい。今日はなにを読もうか、そう考えるだけでも、ウキウキした十代のころが、なつかしい。私はひとまず松崎実の『殺生関白行状記』と続日本史籍協会叢書の『遠近橋』の二冊を本の山の中から、ソーッと抜き取った。これにも工夫の技術がいる。力の入れかた次第で、本の山全体が、グァラグァラと耳をふさぎたくなるような大崩壊につながる。これまで何度、唇を噛んだことであろう。まあ、この日は、うまくいった。

~46p

 

「うまくいった」、じゃねーよ(笑)。

 

 本は、なぜ増えるのか。買うからである。処分しないからである。したがって、置き場所がなくなる。あとで後悔すると知りつつ、それでも雑誌は棄てる。大半は役に立たぬと知りつつ、単行本を残してしまう。役に立たぬという保証はないからだ。仕事をするかぎり、この未練はついてまわり、ひたすら本は増えていく。

~27p

 

「本はなぜ増えるのか。買うからである」は、名言だが、いやいやアンタ風呂場に閉じ込められてるから。

冷静に分析している場合ではないだろうに。

 

著者は、はたして脱出できるのか?

まあ、無事に脱出できたからこうして事の顛末を読めているわけだが。

この随筆が素晴らしいのは、脱出に至るまでのあれこれ以上に、吉田健一に関する思い出やら、著者の専門である李賀のこととか、話題があっちに飛んだり、こっちに飛んだり、自由気ままで、それがまた無類に面白く、まさに“随筆”の名に恥じないところだ。

 

また、随所に出てくる著者撮影による「積まれた本の山」の写真にも圧倒される。

本にかんする随筆はたくさん読んできたが、これはベスト3に入るね。

 

ちなみに草森伸一は、この本の山に囲まれた状態で、2008年に逝去している。

 

 

Netflix の新作映画『スペース・スウィーパーズ』を観る。

韓国産のSFもの。

CGを駆使した特撮が楽しいが、ストーリーは、マッド・サイエンティストが自分のエゴで地球を破壊しようとするが、ヒーローたちによって阻止されると言う、よくあるやつ。

でもまあ、ラストはそれなりに盛り上がる。