単純な生活

映画・音楽・読書について、だらだらと書いている

『サムライ』(1967)を観る

 

▶『サムライ』を観る。

 1967年制作のフランス映画。

 

サムライ [DVD]

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  • 発売日: 2016/05/27
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ジャン=ピエール・メルヴィル監督の傑作。

 

トレンチコートとソフト帽でクールに決めて、静かに人を殺す凄腕の殺し屋ジェフを、アラン・ドロンが演じている。

しかし、ドロンがあまりに美しいので、街中で(そして何より殺しの現場で)すげー目立っている 。

殺し屋がこんなに目立っちゃダメだろう“笑”。

 

依頼を受けて、クラブのオーナーを殺しに店内に入っていくのだが、そこでもトレンチコートとソフト帽を脱がない。

酒と音楽を楽しんでいる客のなかを、すたすた歩いて行く。

だから、目立ってるって!

案の定、警察に目をつけられて、フランソワ・ペリエ扮する刑事にしつこく付け回され、徐々に追い詰められていく…。

 

殺し屋ジェフは、ほとんど喋らない。

じつに寡黙だ。

殺風景な部屋に住み、鳥を1羽飼っているだけ。

カメラは、かれの行動を静かに追い続ける。

けして急がない。

ときおりドロンの顔がアップになる。

美しい瞳の奥に虚無が見える。

人を殺すことをなんとも思ってないだけでなく、自分の命ですら何とも思ってない目だ。

さすが元フランス外人部隊出身者。

ふつうの人が見ないものをたくさん見てきたのだろう。

こんなに怖くて冷たい目ができるのは、アラン・ドロンくらいではないか。

 

ラストのジェフの行動は謎だが、ラストちかくの、「決着をつける」という台詞と、あの底知れない虚無の目が、謎を解く鍵のような気がする。

 

 

 

ボブ・ディランの『Blonde on Blonde』を聴く。

 

ブロンド・オン・ブロンド

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1966年に発表された7枚目のアルバム。

いまのところ、ディランの最高傑作(と、わたしは思っている)。

 

このとんでもないアルバムを初めて聴いたのは、中学2年の夏休みである。

スケベでSF好きの中川くんのうちに遊びに行って、そこで聴いた。

中川くんのお兄さんのレコード棚にあったのだ。

天地真理南沙織山口百恵桜田淳子アグネス・チャンの5人のうち、誰がいちばん可愛いかを議論しながら、聴いた。

なにが良いのか、さっぱりわからなかったな。

とうじのわたしは、わかりやすいカーペンターズとかが大好きだったので、ダミ声で歌うおっさんの歌など好きになるわけがないのだ。

 

では、いつから「ボブ・ディラン命」になったのかと言うと、それがよくわからない。

気がついたら毎日のように聴くようになっていたのだった。

きっかけが、まったく思い出せない。

まっ、べつに思いだせなくても困りはしないのだが。

 

ライブ映像。

 


Bob Dylan - Rainy Day Women #12 & 35 (Live at Farm Aid 1986)

 

アルバム1曲目の「Rainy Day Woman」。

相変わらずの、意味不明なファッション・センス“笑”。

 

 

 

▶「苦しい時は、無理せずに逃げれば良いんだよ」とアドバイスするひと、これまでに苦しくて逃げたこと、いちどもない説。

 

 

 

ミスドは、けっきょくハニーディップに戻るな、わたし的には。

ぐへへ。