▶『サムライ』を観る。
1967年制作のフランス映画。
ジャン=ピエール・メルヴィル監督の傑作。
トレンチコートとソフト帽でクールに決めて、静かに人を殺す凄腕の殺し屋ジェフを、アラン・ドロンが演じている。
しかし、ドロンがあまりに美しいので、街中で(そして何より殺しの現場で)すげー目立っている 。
殺し屋がこんなに目立っちゃダメだろう“笑”。
依頼を受けて、クラブのオーナーを殺しに店内に入っていくのだが、そこでもトレンチコートとソフト帽を脱がない。
酒と音楽を楽しんでいる客のなかを、すたすた歩いて行く。
だから、目立ってるって!
案の定、警察に目をつけられて、フランソワ・ペリエ扮する刑事にしつこく付け回され、徐々に追い詰められていく…。
殺し屋ジェフは、ほとんど喋らない。
じつに寡黙だ。
殺風景な部屋に住み、鳥を1羽飼っているだけ。
カメラは、かれの行動を静かに追い続ける。
けして急がない。
ときおりドロンの顔がアップになる。
美しい瞳の奥に虚無が見える。
人を殺すことをなんとも思ってないだけでなく、自分の命ですら何とも思ってない目だ。
さすが元フランス外人部隊出身者。
ふつうの人が見ないものをたくさん見てきたのだろう。
こんなに怖くて冷たい目ができるのは、アラン・ドロンくらいではないか。
ラストのジェフの行動は謎だが、ラストちかくの、「決着をつける」という台詞と、あの底知れない虚無の目が、謎を解く鍵のような気がする。
▶ボブ・ディランの『Blonde on Blonde』を聴く。
1966年に発表された7枚目のアルバム。
いまのところ、ディランの最高傑作(と、わたしは思っている)。
このとんでもないアルバムを初めて聴いたのは、中学2年の夏休みである。
スケベでSF好きの中川くんのうちに遊びに行って、そこで聴いた。
中川くんのお兄さんのレコード棚にあったのだ。
天地真理、南沙織、山口百恵、桜田淳子、アグネス・チャンの5人のうち、誰がいちばん可愛いかを議論しながら、聴いた。
なにが良いのか、さっぱりわからなかったな。
とうじのわたしは、わかりやすいカーペンターズとかが大好きだったので、ダミ声で歌うおっさんの歌など好きになるわけがないのだ。
では、いつから「ボブ・ディラン命」になったのかと言うと、それがよくわからない。
気がついたら毎日のように聴くようになっていたのだった。
きっかけが、まったく思い出せない。
まっ、べつに思いだせなくても困りはしないのだが。
ライブ映像。
Bob Dylan - Rainy Day Women #12 & 35 (Live at Farm Aid 1986)
アルバム1曲目の「Rainy Day Woman」。
相変わらずの、意味不明なファッション・センス“笑”。
▶「苦しい時は、無理せずに逃げれば良いんだよ」とアドバイスするひと、これまでに苦しくて逃げたこと、いちどもない説。
▶ミスドは、けっきょくハニーディップに戻るな、わたし的には。
ぐへへ。