単純な生活

映画・音楽・読書について、だらだらと書いている

“燃え殻”の『すべて忘れてしまうから』を読む。

 

▶“燃え殻”の『すべて忘れてしまうから』を読む。

 

すべて忘れてしまうから

すべて忘れてしまうから

 

 

“燃え殻”は、もちろんペンネーム。

ポジティブではなく、かと言って極端にネガティブでもないエッセイが50編。

1編が3頁。

各編に長尾謙一郎の挿画が1頁カラーで付く。

贅沢な作りだ。

 

どのはなしも私小説的な面白さがある。

でも、“小説”と言うには少し軽い。

小説の卵のようなエッセイ集。

どのはなしも面白く、ストンとこころに落ちてくる。

でも、次の日には、タイトル通りすべて忘れている。

 

 

蓮實重彦の『映画狂人日記』を読む。

 

映画狂人日記

映画狂人日記

 

 

ほとんどの場合、何を言ってるのかさっぱりわからない“笑”。

こちらに映画的素養がないとか、そう言うはなしではない。

すでに何回も観ている映画について語っている部分でも、理解不能なのである。

すべての文章が抽象的で、読む進めるのがいささかしんどい。

 

許されざる者』は、断固として許さない映画である。何を、どんな理由で許さないのかなどと問うのはやめにしよう。問うことすら許そうとしないその潔癖さにおいて、この映画は唯一無二の美しさにおさまっているからである。『許されざる者』は、これを傑作と呼んだりする権利さえ、誰にも許しはしないだろう。そんな権利をあらかじめ放棄している者たちが許されないのは、当然である。およそ可能なかぎりのありとあらゆる反応を禁じられ、観客はただ途方にくれることしかできない。

 

どうやらホメてるらしい(たぶん)。

 

愚考するに、『映画狂人日記』は、著者が映画に仮託して自己を語っている一種の私小説みたいなものであって、だから、ここに映画解説的な「親切」を期待する方がまちがいなのである。

わたしは、少し期待してしまいました。

ごめんなさい。

町山智浩川本三郎に戻ります。

 

 

バスター・キートンの『セブン・チャンス』を観る。

 

セブン・チャンス(活弁入り)

セブン・チャンス(活弁入り)

  • 発売日: 2020/12/26
  • メディア: Prime Video
 

 

身体をはったドタバタコメディ。

後半の、もの凄い数の花嫁からの逃走劇は面白かった。