▶『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』を観る。
2013年制作のアメリカ映画。
ドキュメンタリー。
2007年、シカゴに暮らす青年ジョン・マルーフは、地元のオークションで、大量のネガフィルムが入った箱を落札する。
撮影者の名前は、ヴィヴィアン・マイヤー。
ネットで、調べてもまったくヒットしない。
無名のまま亡くなったカメラマンか、ジャーナリストなのかも知れない。
ジョンが、ネガをスキャンし、試しにネットで公開してみると、その素晴らしさに世界中から賞賛の声がよせられる。
これほどの写真を撮ったひとが、なぜ無名のままだったのか…?
ジョンは、箱の中から住所と電話番号が書かれたメモを見つける。
電話をかけると、男性が出て来た。
「ヴィヴィアン・マイヤーと言うひとをご存じですか?」と質問すると、意外な答えが返ってくる。
「ああ、知ってる。ぼくの乳母だったひとだ」
乳母?
カメラマンではなく、ジャーナリストでもなく、ただの乳母?
ヴィヴィアンは、驚異の溜め込み魔だった。
服、帽子、還付金の案内状、抜けた歯などなど、あらゆる物が貸倉庫に遺されていた。
そして倉庫からは、かなりの数の未現像のフィルムも発見される。
しかし、ヴィヴィアン・マイヤーに関しては、依然として謎のままだった。
どうして乳母に、あんな素晴らしい写真が撮れたのか?
なぜ、これほど大量の写真を撮ったのか?
しかも、なぜ1枚も発表しなかったのか?
こうして、ジョンのヴィヴィアンの生涯を追う旅が始まる…。
とにかく、ヴィヴィアン・マイヤーの撮った写真が、どれもみな素晴らしい。
シカゴに生きた人々の喜怒哀楽が見事に撮られている。
誰であろうと、写真を見たひとは、これが乳母として生涯を生きた、いわば素人写真家の作品だとは思わないだろう。
素晴らしい芸術作品だけが持つ、人の魂の奥底を撃つ魅力が、彼女の写真にはある。
ジョンの調査によって、生前のヴィヴィアンの姿が徐々に現れてくる。
その過程は、良質のサスペンス映画を観ているようで、わくわくする。
彼女の生涯が明らかになったとき、われわれは、彼女の写真に込められている魅力が、彼女自身にもそなわっていたことを知る。
良質のドキュメンタリー作品。
第87回アカデミー賞ノミネート。
▶ John Lennon の『Walls and Bridges』(1974)を聴く。
ジョンのアルバムのなかでは、いちばんよく聴く作品。
最初に聴いたのは、高校1年のとき。
とうじのFM放送には、アルバムを1枚まるごと流すという無茶な番組がいくつかあって、それで聴いた記憶がある。
もちろんカセット・テープにエアチェック(死語か?)だ。
その後、このアルバムからシングルカットされた「Whatever Gets You Thru The Night」(真夜中を突っ走れ)が大ヒットした。
あれ、アルバムより先にシングル盤が先行発売されたのだったかな?
石田豊さん(NHKのアナウンサー)がMCをつとめるリクエスト番組で、この曲がチャートを上がっていったのは憶えているのだが。
まあ、どちらでも良いのだが、老人はちいさいことが気になるのだ “笑”。
アルバムの白眉は、なんと言っても「Steel and Glass」だ。
Aloe Blacc によるカヴァー。
▶天気が良いので、ペットの亀を日向ぼっこさせる。
5年ほど前、散歩していたら500円玉より少し大きめの変わった形の小石が落ちていて、なんだろうと拾ったらコイツだったのだ。
ポイと捨てるわけにもいかず、そのまま家に持ち帰って飼い始めた。
いまでは、体長が12cmくらいあり、かなり重い。
浦島太郎のような恩返しを期待しているのだが、今日の競馬もはずれたくらいなので、いまだに恩返しはされてない模様。
あっ、わたしの希望は、もちろん世界平和なんですけどね。
しかし、まあ、来週の天皇賞を当てさせてくれても文句は言わん。
そういう小さいところからコツコツと、恩返しを頼むよ。