単純な生活

映画・音楽・読書について、だらだらと書いている

『聖者たちの食卓』(2011)を観る

 

▶『聖者たちの食卓』を観る。

2011年制作のベルギー映画

60分のドキュメンタリー。

 

聖者たちの食卓

聖者たちの食卓

  • 発売日: 2016/10/21
  • メディア: Prime Video
 

 

 インド・パンジャブ州のアムリトサル(インド最北端の都市)にシク教の総本山「ハリマンディル・サーヒヴ」(黄金寺院)がある。

ここでは、毎日10万食の食事が巡礼者や旅行者のために、すべて無料で提供される。

毎日10万食…。

眩暈がするほどのスケール。

 

映画は、仕込みから調理、食事風景、そして後片付けまで、この驚異のシステムの一部始終を見せていく。

BGMはない。

聞こえてくる音は、鍋やフライパン(でかい!)、そして食器がたてる音、調理の音(大量の薪とガスボンベ!)、人々の喧騒、祈りの声、すべて自然の音のみ。

説明的なナレーションもない。

ただ見せるだけだ。

わたしたちは目撃者となって、かれらの一日を追うことになる。

 

食事を作っている人たちは、すべてボランティアだ。

かれらの、あまりの手際の良さにうなる。

そして何より、すげー美味そうなのだ!

観終わったら、ぜったいカレーが食べたくなる。

 

注意:夜遅くには観ないほうが良いです。

 

 

 

▶ Fruit Bats の『Absolute Loser』(2016)を聴く。

 

 

脱力系ポップ。

熊かわいい “笑”。

 


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スタジオ・ライブ。

MCのおばちゃん、たまに見かけるんだけど……有名なひとなんだろうか?

 


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▶『小川洋子と読む内田百閒アンソロジー』を読む。

 

小川洋子と読む 内田百閒アンソロジー (ちくま文庫)
 

 

名作の「件」「旅順入城式」、渋い「琥珀」「桃葉」など、全24編収録。

それぞれに小川洋子の短い解説(と言うか感想)が付く。

 

たとえば同時代の作家、芥川龍之介の短編を読むと、100年以上前に作られた工芸品を鑑賞しているような気分になる。

けして芥川龍之介の短編が古臭いという意味ではなく、かっちりと出来上がった名作を読んでいる感じに、どうしてもなるのだ。

が、内田百閒の短編を読むと、なぜか、昨日書かれた作品を読んでいるような感覚におそわれるのである。

なんだか、つねに生々しい。

すごく怖い作家だと思う。

 

「冥府」という作品では、かんぜんに向こうの世界を覗いちゃってるもんなぁ…。