『独立愚連隊』を観る。そして久しぶりのドスト氏。
▶『独立愚連隊』を観る。
1959年制作の岡本喜八監督作品。
代表作のひとつ。
痛快娯楽戦争アクションかと思っていたら、ちょっと違った。
主演は、佐藤充(さとうまこと)。
共演が、三船敏郎、鶴田浩二、中丸忠雄、雪村いづみと何気に豪華。
独立愚連隊と呼ばれるはぐれ者が集まった部隊で、見習い士官と慰安婦との心中事件が起きる。
それを佐藤充扮する口八丁手八丁の従軍記者荒木が調査していく。
心中事件にもなにやら裏がありそうだが、荒木という従軍記者もなんだか胡散臭い。
前半は、アクション映画と言うよりは、サスペンス映画にちかい。
ぜんたいのノリは西部劇である(岡持喜八は西部劇の大ファン)。
馬と拳銃、荒れ果てた大地と広い空、駅馬車のかわりが軍用トラックである。
敵と向かい合っての、1対1の果し合いもある。
弾切れの相手に向かって佐藤充が「待ってやるから弾をこめろ!こう言うのを暇つぶしって言うんだ」と楽しそうにニヤリと笑ったりする。
ラストは、サム・ペキンパーの『ワイルドバンチ』並みの大殺戮である。
そして、画面全体に戦争の虚しさが漂う…。
わたしが小学生くらいの頃(昭和40年代)、この映画はけっこうテレビで放映されていて、わたしも3度くらい観た記憶がある。
が、内容をまったく覚えていなかった。
作品にこめられたアイロニーと、戦争への静かな怒りを理解することは、小学生にはちょっと無理だったか。
映画はヒットして、続編も作られている。
▶ Nicolette Larson の『Nicolette』(1978)を聴く。
冒頭の「Lotta Love」が大ヒット。
懐かしい…。
人気があったのはセカンド・アルバムくらいまでで、その後失速。
のちにドラマーのラス・カンケルと結婚し、カントリー・シンガーとなる。
1997年に45歳の若さで病没。
▶ ドスト氏の『カラマーゾフの兄弟』を読み始める。
15年ぶり、3回目。
ん~、どうなんだ、亀山郁夫訳。
いまのところ微妙。
文章が軽くて読みやすいのだが、にもかかわらず情景がまったくこころに浮かんで来ない。
コクがないって言うか…。
ドストエフスキー独特の、アクみたいなものがきれいになくなっている感じがする。
もうしばらく読んで、物語りに乗れないようなら原卓也訳にもどそう。