▶ 『メトロポリス』を観る。
1927年制作のドイツ映画。
サイレント映画の古典的名作。
観たのは、10年ほど前にアルゼンチンでほぼ完全なプリントが発見され、それを元に復元されたヴァージョンである(2010年版)。
以前のものより25分ちかく長いようだが、これでもまだ欠落があるらしい。
ディスクには、小松弘氏(映画史研究家)の詳しい解説書がついていて、監督フリッツ・ラングと「メトロポリス」が出来た時代のこととが詳しく書かれている。
わたしが、はじめて『メトロポリス』を観たのは、1984年に出たジョルジオ・モロダー版である。
この映画の大ファンだった音楽プロデューサーのモロダーが、世界中にちらばる『メトロポリス』のフィルムをかき集めて再編集し、とうじ流行のサウンドをつけたもので、長さはおよそ90分。
評論家筋には大不評だったが、わたしは面白いと思った。
後に紀ノ国屋書店から出た版も観てみたが、モロダー版より画質はかなり良くなっていたものの、なんだか間延びして長く感じられた。
支配階級と労働者階級の闘争、それに翻弄されるマリアの愛と絶望、理想都市メトロポリスそのものを破壊しようと企むアンドロイドの存在…。
含まれるテーマを考えると、いまこそ観られるべき作品かもしれない。
映像の凄さは、圧巻のひとことにつきる。
とくに「SF映画史上最も美しいロボット」と言われる、アンドロイド・マリアの気品ある姿が素晴らしい(スターウォーズのC3POの元になった)。
未来都市メトロポリスの姿は、手塚治虫の漫画に出てくる未来都市とそっくりだ(もちろん手塚治虫が影響を受けたんだろう)。
役者の演技が、超オーバーアクションなのが少し気になるが、それもサイレント映画の味なので笑って許す。
▶ 小川典子のピアノでサティを聴く。
かつては、少しこじゃれたカフェに入ると、よくサティがかかってたりしていた。
いつからかサティは流れなくなった。
と言うか、サティを流すような店がなくなったと言うべきか。
たしかに、スタバやサンマルクにサティは似合わない。
どうした小川典子 “笑”。
▶ブログのタイトルをつけるのが、かなりめんどくさい。
どうでも良い気もするし、どうでも良くない気もする。
とりあえず、最初の一文と最後の方の文章を適当につなげているが…。