単純な生活

映画・音楽・読書について、だらだらと書いている

ありふれた日常 #2 ご隠居っぽい感想を呟く夜

 

▶朝4時半に目が覚める。

まだ眠いのだが、いちど目が覚めてしまうと再び眠るのはなかなかむつしいので、しかたなく起きる。

キッチンで少し硬くなった大福を食べながら、苦い珈琲を飲む。

アート・ペッパーの『Art Pepper Meets The Rhythm Section』(1957)を聴きながら読書。

 

20歳頃、毎日聴いていたアルバムで、当時は次にどんな音が来るかまでわかっていた。

いまは次に何の曲が来るかすら忘れている。

 

 

ミック・ジャクソンの短編集『10の奇妙な話』(東京創元社)を読み終わる。

 

タイトル通り、奇妙な話が10編収録された短編集。

好きだわ~こういうの。

どの話も、予定調和なハッピーエンドではなく、かと言って落ち込むほどのバッドエンドでもない。

 

 

▶妻が起きてきたので、一緒に朝食。

いつもは蕎麦を食べるが、今朝は妻に合わせてトースト。

なにやら特製のフルーツ・ジャム(コンフィチュールと言うのか?)をトーストに塗る。

「すっごく高いジャムだから」と脅かされながら食べる。

まあ、たしかに美味い。

 

 

▶サタジット・レイ監督の『大河のうた』(1956)を観る。

 

『大地のうた』(1958)の続編。

主人公オプーの少年時代から大学を卒業するまでが描かれる。

前作に比べるとかなり俗っぽい。

映画史に残る傑作『大地のうた』に漂っていた緊張感があまり感じられない。

ただ、ストーリーはわかりやすい。

田舎暮らしを捨て都会(バラナシ)に出た一家。

そのバラナシで父親が死に、暮らしに困った母は伯父を頼って再び田舎へ移る。

学校に通い始めたオプーは、その優秀さを認められて都会(ムンバイ)の大学へ。

都会で、貧しいながらも自由な学生生活を送っていたオプーの元に、母親が病に倒れたとの連絡が入る。

急いで帰ったオプーだったが、母親はすでに亡く、泣き崩れるオプー。

田舎に残れと言う伯父に別れを告げ、再び都会に出て行くオプー。

主人公の反抗期とか、息子に去られた母親の寂しさとか、ベタな描写が続く。

途中で少し飽きた。

 

 

▶夜、うなぎが食べたくなったが、外に出るのも億劫なので、UberEatsなるものを初めて使ってみた。

浅草の店を選んで注文。

自分が頼んだうなぎが、いまどの地点を移動しているのかがアプリ上の地図に表示される。

ライブ感があって、これはなかなか楽しい。

うなぎも美味しかった。

便利な世の中になりましたナと、ご隠居っぽい感想を呟く夜。