▶5時に起き、熱い珈琲を飲みながら『カラマーゾフの兄弟1』を10頁読む。
あと100頁ほどで1巻目が終わりそうなのだが、まだ物語がまったく動いていないことに驚く。
巨大な客船が、ゆっくりと港を出て行く感じ。
なんだろう、この威風堂々感。
▶軽い映画が観たくて(まあ、いつも軽い映画ばかり観ているのだが)、『しあわせへのまわり道』を観る。
2014年制作のアメリカ映画。
まったく同じ邦題でトム・ハンクス主演の作品があるが、こちらはベン・キングズレー主演。
原題は「Learning to Drive」。
邦題は、酷い。
ベン・キングズレー演じるダルワーンはインドから迫害を逃れてアメリカに政治亡命した敬虔なシク教徒。
インドでは大学教授の職にあったが、ニュー・ヨークではタクシー・ドライバー兼個人レッスンの自動車教習官として生計を立てながら、つつましく暮らしている。
パトリシア・クラークソン演じるウェンディが、夫に離婚を切り出された日に、たまたまダルワーンのタクシーに乗り合わせたことからストーリーが始まる。
夫と離婚し、進むべき道を探しているウェンディと、故郷から花嫁を迎えたものの結婚生活にとまどいを覚え悩んでいるダルワーンとの友情(そしてかすかに愛情)の物語。
軽いコメディからと思ったら、けっこうシリアスな作品だった。
シリアスと言っても、ズシンと腹にひびくような作品ではないが。
邦題は、酷い(2回目)。
▶『ジーキル博士とハイド氏』を読む。
“ジキルとハイド”は、二重人格の代名詞ようになっているので、内容を知らない人はほとんどいないと思うが、じっさいにこの名作を読んでいる人となると、あまりいないのではないか。
まあ、世の名作なんてみんなそんなものだが。
文庫本にして130頁ほど。
あっと言う間に読み終わってしまう。
物語は弁護士であるアタスンの視点で語られていく。
友人である医師ジーキル博士のもとに出入りするハイド氏なる人物に興味を抱いたアタスンは、秘かにハイド氏について調べ始める。
が、ハイド氏がいったい何者なのか、まったくわからない。
目にしただけで邪悪な感じがし、言い知れぬ不快感を人に与えるハイド氏と、善良高潔なジーキル博士が、なぜ知り合いなのかも謎のままだ。
有名な話なのでネタをばらすが、ジーキル博士が自ら調合した薬によって、自分のなかの悪の部分をハイド氏として分離させ、日頃は抑圧させている欲望を全解放して、悪のかぎりをつくしていたのである。
が、あるときハイド氏になる薬を飲んでいないにもかかわらず、寝て起きたらハイド氏になっているという現象が起きてしまう。
ジーキル博士は慌てて元の姿に戻る薬を飲むが、その薬も徐々に効かなくなる。
善のジーキル博士よりも、悪のハイド氏の方が強くなっていくのである。
殺人をおかしても平然としているハイド氏の存在に悩むジーキル博士(まあ自分の行いなわけだけど)。
薬もまったく効かなくなり、最後はジーキル博士とハイド氏との闘いとなる。
1886年(明治19年)、著者36歳のときの作品である(3年前に名作「宝島」を発表している)。
作品はベストセラーとなり、1年後には戯曲化され(いまで言うと映像化されたってことかな)、この劇場版も大ヒットした。
ちなみに、『ジーキル博士とハイド氏』が出版されて2年後に、ロンドン市民を恐怖に震え上がらせた“切り裂きジャック事件”が起きている。
これは想像だが、当時のひとは、謎の切り裂きジャックにハイド氏の姿を重ねていたかも知れない。
ストーリーは、いま読んでも抜群に面白い。
とくにラストの、ジーキル博士とハイド氏との闘いは凄い迫力。
ベストセラーになったのもうなずける。
▶昼食後、少し昼寝をしようと思ったのだが、なかなか寝付けずに困る。
すごく眠いのだが、まったく眠れない。
以前、行きつけの漢方医から「寝るのにも体力を使うので、老人になると眠るのがひと仕事になる」と聞かされたことがあって、そのときはわたしもまだ若かったので(たしか50代)、医者の言ってることがいまいちピンとこなかったのだが、今ならすごくよくわかる。
よく老人たちが「朝早く目が覚めてしまって困るわい…」と話しているのを聞いて、活動時間が増えて良いじゃないか、と若い頃のわたしは思っていたが、そういうことじゃないってことが、じっさい自分が老人になってみるとよくわかる。
“朝早く、すっきりと目覚める”のと、“朝早く、眠れなくてしかたなく目覚める”とでは、まったく違うのだ。
眠れなくてしかたなく目覚めた場合、疲れはまったくとれてなくて、眠気は残っているので、その後すっきりと活動なんてできないのである。
セントジョーンズワートとか飲めば良いのだろうか…?
▶アヌーシュカ・シャンカール(Anoushka Shankar)の『Reflections』を聴く。
シタールの名手ラヴィ・シャンカールの娘。
ノラ・ジョーンズとは異母姉妹にあたる。
ラヴィの才能の遺伝子、どれだけ濃いんだよ。
ノラ・ジョーンズとの共演。
レーベルがクラシックのグラムフォンなんやねぇ。
けっこうポップなんだが。
▶競馬は、エリザベス女王杯。
ここから年末まで怒涛のG-Iラッシュである。
金がいくらあっても足りないが、勝てば良いのであるよ、勝てば。
と言うことで、本命13番のウインマリリンで勝負したのだが…。
う~ん、惜しいなぁ。
2着と3着の組み合わせ(馬連)は買ってるんだが、1着のジェラルディーナを買ってない。
って言うか、けっきょく外差しで決まるのね。
トラックバイアス、大事やね。
まっ、いつかは当たるさ。
穴党は、基本いつも外しているので、外れたときのメンタルは本命党より強いのだ。