▶午前4時起床。
“起床”と言っても、寝床から起き上がったわけではなく、目が覚めてからしばらく蒲団のなかでぐずぐずしていたのである。
寒くて蒲団から外に出る気がしない。
YouTubeで、ノラ・ジョーンズのライブなど見ながら、ずっとぐずぐずする。
寒そうだなぁ。
“and when the neight is cloudy, their is still a light that shines on me…”
まだ中学にあがる前だったと思うが、年上の従兄弟の部屋で「Let it be」を聴いた。
どうじに聴かされた西郷輝彦のほうが良かった記憶がある(西郷輝彦の何を聴いたかは覚えていない)。
“Let it be”と言う言葉が、キリスト教の受胎告知から来ていることは、ずいぶんと後になってから知った。
年をとると昔のいろんなことを思い出す。
ときどき、目覚めた直後に、思い出が津波のように襲ってくることがある。
死ぬ直前に見ると言う走馬灯のリハーサルをしてるのかも知れない。
▶映画を1本。
『わたしは最悪』
2022年制作のノルウェー映画。
監督は、ヨアヒム・トリアー。
朝イチで観る映画ではなかった…。
評判が良くて少し期待したのだが、まあなんと言うか、わたしには刺さらなかったと言うことです。
なぜ刺さらなかったのか…5分ほど考えたのだが、うーん、よくわからんw。
評判の良い、評価の高い映画を観て、その評判ほどは面白いと思えなかったとき、「あれっ、これは自分の観方がダメなのかな」とか「ひょっとしてわたしは良い映画が理解できないほどバカなのか?」とか思っちゃうよなぁ。
▶妻が起きて来たので、一緒に朝食。
いつものように蕎麦。
贅沢にも生卵を落として食べる。
▶昼は上野の立喰い寿司。
いちばん安いマンゴウイカ(1貫¥80)が、いちばん美味しかった。
その後、上野松坂屋ちかくの珈琲館でしばらく読書。
ディケンズ、面白い。
読むのが遅いわたしが、もう2巻目である。
妻はなにやら甘そうなものを飲んでいた。
上野で見つけたホルモンの詩。
アントニオ猪木みがある。
読んでいて、冒頭の「芝浦の東門」と言う言葉が気になったので調べてみた。
なるほど、“と場&食肉市場”があるんですね。
それがわかってから読むと、なかなか味わい深い。
▶夜、『サタンタンゴ』を2時間ほど観る。
1994年制作のハンガリー映画。
監督はタル・ベーラ。
U-NEXTの配信で1回目を観て、あまりに良かったのでブルーレイを購入し、いま3回目を観ている。
貧しく猥雑な農村のなかを、ひとつの噂が駆けめぐる。
1年ほど前に死んだはずの男が、村に帰って来ると言うのだ。
雨と風と泥濘と貧しさと欲望のなかで無様にもがき続ける村人たち。
その前に現れた男は、はたして救世主なのか、悪魔なのか…?
もはやわたしは、ストーリーなどはどうでもよくて、延々と続くワンカットの映像をひたすら愛でている。
とくに、村人たちが村で唯一の酒場でどんちゃん騒ぎをするシーンが良い。
村人が酒を飲み、歌い踊り、ときには叫び、猥雑さが酒場を支配する。
それを外からじっと見つめる少女…。
うーん、たまらん!
▶いつもより早く、午後10時過ぎに蒲団のなかへ。
ぬくぬくである。
暖かい蒲団のなかでうとうとする…これに勝る冬の幸せはないのではないか。
ぬくぬくしながら、Mette Henrietteの『Driting』(2023 ECM)を聴く。
ノルウェーのひと。
北欧とECMの親和性って凄いな。
野外フェスでの動画もあがっているが、ぜったい室内のひとだと思う。