▶午前4時に目覚めて、まずは熱くて苦い珈琲を1杯。
珈琲を1杯飲んだら、谷へと下るのだ(by Bob Dylan)。
すでに谷底にいる気分のわたしはどうすれば…?
と言うわけで、何も考えなくても良さそうな映画を1本。
Netflixオリジナルの『キル・ボクスン』を観る。
主人公は、思春期の子育てに悩むシングル・マザーの殺し屋キル・ボクスン。
凄腕です。
暗殺を組織的に請け負う会社の存在とか、ガン=カタのようなアクションとか、「ジョン・ウィック」シリーズの影響が顕著。
主な武器が拳銃ではなく刃物系ってところが韓国らしい。
アクションのカットが、いまいちかな。
Kindle版をスマホに入れていて、ちょっとした空き時間(基本1日中空き時間なのだが)に少しずつ読んでいて、およそ3か月かけて1巻目を読み終わる。
面白い!
なぜもっと早く手に取らなかったのかと少し後悔している。
SFと言うよりは、歴史小説ですね。
舞台がはるか未来の宇宙と言うだけで。
さっそく2巻目をダウンロード。
▶妻が起きてきたので、いっしょに朝食。
いつものように、わたしが蕎麦で、妻がトースト。
他愛のない会話。
淡々と日々は過ぎていくのである。
▶午後、先日行った子宮頚部円錐切除手術の検査結果をききに病院へ。
癌のステージは「I-A-1期」で、単純子宮全摘手術で済むとのこと。
よーするに、子宮を摘出するだけで、周りのリンパ節などはとらないと言うことだ。
ほっとしたのか、妻が少し泣く。
子宮がんの場合、周辺のリンパ節に癌細胞が飛んでいるかどうかが問題となる。
飛んでいれば、とうぜんリンパ節は切除する(リンパ郭清)。
しかし、リンパ郭清を行うとかなりの確率でリンパ浮腫というやっかいな病気になってしまうのだ。
かんたんに言うと、リンパの流れが滞って足が異常にむくんでしまうのである。
写真を見たが、とんでもないむくみ方である(片足だけ2倍の太さになったりする)。
現代医学では治す方法はなく、専門的なマッサージを受けるか、特殊なストッキングで常時締め付けるしかない。
妻は、「子宮をとることはべつに良いのだが、リンパ浮腫になるのは死ぬほど嫌だ」と言っていて、今回主治医から「リンパ郭清は行わなくて良いです」と言われて、泣き出してしまったのである。
病院からの帰り、回転すしでお祝いをする。
▶妻が癌とわかってから、癌関係の本を手当たり次第に読んだり、Youtubeの動画をいやになるくらい見たりしたが、怪しいものもかなり多い。
糖質を制限して、癌細胞にエネルギーを与えなければ癌は消える、とか。
にんじんジュースを大量に飲めば癌は消えるとか。
丸山ワクチンが良いとか。
癌は自分が作り出したものなので、自分が治るように強く念じれば治るのだ、とか。
肉はぜったい食べるな、とか。
いや逆に肉はぜったい食べろ、とか。
豆類は良いとか、豆類はダメだとか。
重曹を飲めとか。きのこを食べろとか。
癌はなにもしないのがいちばん良いとか。
…結果、なにが良いのか、さっぱりわからなくなるのである。
そして、医者がすすめる標準治療(手術、抗がん剤、放射線治療)に対する不安と疑念だけが、こころの中で増大していくのだ。
そんなとき出会ったのが、以下の2冊である。
1. 『がんを告知されたら読む本』
2. 『最高のがん治療』
この2冊は良い。
この本を読むと、いろんな怪しい情報でぐしゃぐしゃになった頭と心を、いちどリセットすることができる。
癌というやっかいな病気に向き合う心をを作ることができるのだ。
けっきょくは、ちゃんとエビデンスのとれた治療法だけが癌に打ち勝つ道なのである。
▶静かな音楽が聴きたくなり、坂本龍一の『async』(2017)をちいさな音でかける。
亡くなったとき、テレビのニュースなどでは、かならずYMO(しかもなぜかライディーンw)と「ラストエンペラー」の音楽が流れていて、それはべつに間違ってはいないのだけど、教授はもっと先に進んでいたのになぁ…と、ちょっとイラっとした。