単純な生活

映画・音楽・読書について、だらだらと書いている

『映画よ、さようなら』を観る。そして、『実写版カウボーイ・ビバップ』にがっかり。

 

▶『映画よ、さようなら』を観る。

2010年制作のウルグアイ映画。

モノクロ。63分。

 


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主人公のホルヘは、独身の中年男。

ミニシアター「シネマテーク」に長年勤め、上映プログラムの選定、映写、貴重な映画の保存、広報、機材のメンテナンスなど、作業のすべてをほとんどひとりでこなしている。

こういう施設の大半がそうであるように、「シネマテーク」も財政難で、存続の危機に瀕していた。

なにしろ上映プログラムが、「アイスランド映画特集」とか「マノエル・ド・オリヴェイラ監督特集」とかなので、コアな映画ファンしかやって来ないのだ。

ラジオ放送で新規の会員を募るも焼け石に水

ある日突然(じゅうぶんに予想されていたことだが)、出資者から“これ以上金は出せない”宣言をされ、「シネマテーク」はあえなく閉館。

最後の日、ホルヘは身の回りの物を鞄に詰めて、「シネマテーク」をあとにする。

乗ったバスのなかでは、思わず涙ぐんでしまい、乗客から奇異の眼で見られてしまう。

あてもなく街をさまようホルヘ…。

 

映画の前半は、堅苦しい映画論が語られるシーンもあり、ぜんたいに重苦しい雰囲気が漂う。

ホルヘの態度にも、映画を楽しむと言うよりは、貴重な映画を多くのひとに観てもらいたいという使命感があふれている。

が、「シネマテーク」を去ったときから、かれのこころに変化が訪れる。

美容室で髪をカットし、その店に意識的に鞄を置き忘れるホルヘ。

 

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シネマテーク」での自分を捨てたのだ。

身軽になったホルヘ。

ずっとこころを寄せていた大学教授のパオラを学校にたずねるホルヘ。

デートに誘う気なのだ。

いままでは、コーヒーに誘うことも満足にできなかったのに、急に大胆だぞ、ホルヘ。

 

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パオラを待つあいだ、学校の階段で踊り出してしまうホルヘ。

大丈夫か、ホルヘ?

仕事が終わり同僚と出て来たパオラにホルヘが歩み寄る。

おどろくパオラ。

そりゃそうだろう、いままで内気だった男が、急に自信満々なかんじで自分の前に現れたのだ。

そして、ホルヘがパオラに言う。

「どう、これから映画でも観ない?」

コーヒーでも、ディナーでもなく、“映画”である。

ホルヘにとって映画は、映写するものから観て愉しむものに変わったのだ。

少し戸惑いつつOKするパオラ。

おめでとう、ホルヘ!

街の雑踏のなかに消えて行くふたりを映して、映画は終わる。

 

正直、この映画がなにを言いたいのかはイマイチわからないのだが“笑”、ホルヘが幸せになりそうな予感がするので、良しとしよう。

ハッピーエンドを予感させる映画は、内容がどうあれ、それは良い映画なのだ。

 

 

Deep Purple の『Made in Japan』(1972)を聴く。

 

Made In Japan (Deluxe Edition) [Live]

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むかしのサイレント映画をよく観るのだが、いつもディープ・パープルの曲を流しながら観る。

サイレント映画には、たいていクラシック音楽が劇伴として付いているのだが、そんな毒にも薬にもならない音楽よりか、ディープ・パープルの激しいリズムのほうがずっと良い。

ビートルズとかストーンズとか、バート・バカラックとかカーペンターズとか、あるいはアバとかU2とか、いろいろ試したのだが、いまのところディープ・パープルがいちばんのお気に入りである。

サイレント映画特有の、ちょっと前のめりな感じのスピード感にディープの曲がよく合ってる気がする。

とくに美女が悲鳴をあげているようなシーンで流れる「Highway Star」は最高である。

 

 

 

Netflixで『カウボーイ・ビバップ実写版』の配信がスタート。

 


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全10話の半分まで観てみたが、うーん、微妙だなぁ。

セットがショボく、アクションがダサく、話もうまく回っていない気がする。

良いのは、吹き替えの声優(アニメ版と同じ)と、菅野よう子の音楽と、キャラ完璧再現のアインだけかな。

まっ、最終話まで観るけど。

正直、がっかりだわ。

とくにビシャスがひどい。

アニメの設定では27歳の美青年なのに、実写版は筋肉マッチョの中年オヤジだ。

萎える。

 

 

シュトロハイム監督の傑作『愚なる妻』を観る。

 

▶『愚なる妻』を観る。

1922年制作のアメリカ映画。

モノクロ、サイレント。

 

 

映画史に名を残す異人エリッヒ・フォン・シュトロハイム監督の代表作のひとつ。

“フォン”は貴族階級であることを表す単語だが、シュトロハイムは貴族家系ではない。

ウィーンの貧しい家の出身なのだが、アメリカの映画界に身を投じたさいに箔をつけるために自ら“フォン”と名乗ったのだ。

ニセ貴族ですね。

『愚かな妻』の主役も、カラムジン伯爵と名乗るじつに怪しい貴族で、シュトロハイム自身が演じている。

 

舞台はモンテカルロにある大きなカジノなのだが、ロケではなくて、とんでもないお金をかけてハリウッドにセットを作って撮影している。

映画の冒頭で、そのセットが紹介される。

「オレ、こんな凄いもん作ったんだけど」って感じで、字幕でスゲー自慢してくる “笑”。

 

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「カリフォルニアの丘陵に組まれたモンテカルロの豪華セット。強力なライトが夜を昼に変える。幾千の白熱灯が輝く世界博覧会以来の熱気。モンテカルロの再現。ヨーロッパ製の自動車も輸入して使った。」

最初にメイキングをもってくる映画って、初めて観たかも。

 

シュトロハイムが演じるカラムジン伯爵は、オルガとベラの姉妹(カラムジンのいとこ。こいつらもかなりのワル)と一緒にモンテカルトに滞在している。

懐はすっからかんなのだが、余裕をかましているカラムジン伯爵。

はじめて登場するシーンでは、なぜか海に向かって拳銃をぶっぱなしている。

 

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しかも、サイレンサー装着。

 

カラムジンたちは金を工面するために、さいきんモナコにやってきたアメリカ公使夫人に目をつける。

カラムジン伯爵が夫人に接近。

 

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御年21歳の若い妻は、41歳の夫との生活に少し不満を持っていて、カラムジン伯爵は、そのこころの隙間にあっと言う間に入り込んでしまうのである。

 

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めちゃくちゃ怪しい風貌なんだがなぁ…。

帽子は常に斜めかぶりだし(まあ、そういう帽子なんだけど)。

でも、稀代の女たらしと言う設定である。

 

嵐の夜、道に迷ったカラムジンと公使夫人は一軒のあばら家で一夜を過ごす。

濡れた服を着替える夫人の裸を、手鏡を使って盗み見するカラムジン。

すけべオヤジの無邪気な笑顔 “笑”。

 

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しかし、カラムジン伯爵の毒牙にかかっているのは公使夫人だけではなかった。

かれは、滞在するホテルのメイドにも、結婚をエサに取り入っていたのである。

もちろん狙いは金である。

メイドは、カラムジン伯爵の「わたしはすっかり無一文なんだよぉ」と言う泣き落としにコロッと負けて、こつこつとため込んだ2000フランという大金を貢いでしまうのである。

 

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「いつになったら結婚してくださるんですか?」と泣き崩れるメイドには、甘い言葉とキスで対応するカラムジン。

慣れたもんなのである。

クズですな。

 

女には強いカラムジン伯爵もギャンブルには弱いようで、せっかく手に入れた金もルーレットですってしまい、ふたたび無一文に。

逆に公使夫人はツキに恵まれて大金を手に入れてしまう。

とうぜん、この金を狙うカラムジン伯爵。

ロックオン状態である。

ホテルの一室に夫人を呼び出したカラムジン伯爵は、ここでも泣き落としの技を使う。

「明日の朝までに9万フランを返済しないと、私の命はないのです…!」

そして、泣き落としが見事に成功、カラムジンはまんまと大金をせしめるのである。

 

が、一部始終をメイドが見ていた!

鍵穴から覗いていたのだ。

 

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嫉妬に狂ったメイドは、ホテルに火を放つ。

 

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メイド役のデール・フラー(Dale Fuller)迫真の演技である。

 

逃げ遅れた伯爵と夫人はバルコニーから脱出をはかるも高すぎて飛び降りることができない。

 

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ようやく到着した消防隊が救命用のクッションを用意すると、なんとカラムジン伯爵、夫人をおいて、さっさと自分だけ飛び降りてしまうのだ。

 

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どこまでもクズ。

 

それにしても、この火災のシーンの迫力はすばらしい。

メイドが火をつけてから、部屋に火が回り、ふたりがバルコニーで助けを求めて叫び、消防隊がかけつけて、カラムジン伯爵と夫人が救出されるまでの流れが、見事なカットで、たたみかけるようにつながれていく。

およそ5分間、135カット(数えました)。

なんと1カット平均2秒くらいである。

瞬きもできない。

しかも固定カメラ。

凄い人だな、シュトロハイム

 

火災を起こしたメイドは、崖から身を投げて自殺する。

 

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このシーンも凄い。

海は明るく、メイドだけが、逆光なのかずっと影のままなのである。

どうやって撮ったんだろう。

 

さて、命からがらホテルから脱出できたカラムジン伯爵だったが(従姉妹に「女の胸に火をつけるだけでよかったのに」とか言われて苦笑い)、クズはどこまでもクズなのである。

なにを思ったか、以前から目をつけていた娘に夜這いをかけるのだ。

娘の父親は贋金作りで、従姉妹たちも世話になっている。

が、父親は娘を溺愛しており、「あの子を傷つけるやつは、誰であろうと殺す」と、以前カラムジンにも忠告していたのだ。

よりによって、なんでそんな娘に手を出そうとするかね。

案の定、カラムジン伯爵は父親に殺され、あえなくお陀仏である。

死体は、マンホールに捨てられてしまう。

 

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最後はかんぜんに物扱いされている。

この冷たく突き放した感じがシュトロハイムか。

 

ホテルを逃げ出そうとしていた従姉妹のオルガとベラは、偽札を使った容疑で逮捕される。

 

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左がオルガ、右がベラ。

ふたりとも悪い顔をしている。

 

カラムジン伯爵に騙されていたことを悟った公使夫人は、夫の愛を再確認するのであった。

めでたしめでたしと。

 

 

▶観終わって、こころに残っているのは、カラムジン伯爵、すなわち監督でもあるシュトロハイムの異様な個性である。

後年、映画が撮れなくなってからは性格俳優として活躍しただけはある。

ストーリーじたいは、たいして複雑でもユニークなものでもないのだが、シュトロハイムの存在が、この映画をとてつもなく面白いものにしている。

完全版(つまりシュトロハイムの望む形のフィルム)は、全編で6時間あるらしいのだが、映画会社が「おまえ、ふざけんなよ!」と言うことでズタズタにカット。

まあ、しょうがないですね。

しかし、次作の『グリード』はさらに長尺の9時間というあたりが、シュトロハイム

ぜんぜん凝りてない。

 

このひとは、24時間すべて、あるいは人生のすべてを映画のなかに封じ込めたかったのかも知れない。

そして、その映画の世界で生きていきたかったのかも。

知らんけど。

 

この作品をひとに勧めるかと言うと、うーん微妙。

モノクロでサイレントで、2時間ちかくは、いささかキツイ。

配信もされておらず、DVDレンタルも置いてる店は少ない。

幸いすでに著作権フリー状態なのでYouTubeで「Foolish Wives」と検索すればDVDよりキレイな映像で観ることができる(わたしが観たDVD版よりはるかにキレイ)。

ラストちかくの火災シーンだけでも、ぜひ。

 


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ジェラルド・バトラー主演のアクション映画を4本。そして秋競馬が始まる。

▶日頃は、地味なヨーロッパ映画とか、スカしたインディーズ映画とか、物静かなアジア映画(邦画も含む)とかを好んで観ているのだが、たまにド派手なアクション映画をまとめて観たくなる。

で、こんかいはジェラルド・バトラー主演の作品を4本、立て続けてに観た。

いやあ、かっこ良いなあ、バトラーさん。

俳優になる前は、グラスゴー大学法学部出身の弁護士で、そこそこ有名な弁護士事務所で働いていたんだねぇ。

実人生もかっこ良いぜ。

 

 

▶と言うわけで、1本目は『エンド・オブ・ホワイトハウス』。

2013年制作のアメリカ映画。

監督はアントワーン・フークワ。

 

 

北朝鮮系のテロリストの攻撃によってホワイトハウスが陥落、大統領(アーロン・エッカート)も人質にとられてしまう。

ホワイトハウス内に残ったのは、元シークレット・サービス隊長のマイク・バニングただひとり。

ガンガン撃ちまくりながら、大統領を救出し、ついでにテロリストも倒すのだ!

どこかで、そして何回も観たようなプロットだけど(「ダイ・ハード」とか「沈黙の艦隊」とか)、ジェラルド・バトラーがかっこ良いので許す。

 

 

▶続いて、『エンド・オブ・キングダム』を観る。

2016年制作のアメリカ映画。

 

 

エンド・オブ・ホワイトハウス』の続編。

前作のラストでシークレット・サービスに復帰したマイク・バニングが、今回はロンドンで大統領を救う。

最初から最後まで、ずーっと爆発音と銃声が鳴り響いている。

その中を、大統領と世界を救うために我らがマイク・バニングが大活躍だ。

前作の二番煎じ的な印象はぬぐい切れないが、深く考える間もなく爆発と銃撃が続くので、ひたすらボーッと観ていられる。

 

 

▶続いて、『エンド・オブ・ステイツ』。

2019年制作のアメリカ映画。

 

 

マイク・バニング・シリーズの3作目。

これまで命がけで大統領を守ってきたマイクだが、こんどは自らが大統領暗殺未遂犯として逮捕されてしまう(いろいろ考えますね)。

が、護送されている途中で隙をみて脱走。

長らく疎遠になっていた父親の元(山の中の1軒屋に隠れ住んでいる)へ行き、かくまってもらうのだが、そこも急襲されてしまう。

この父親(ニック・ノルティ)というのが、とんでもないオヤジで、襲ってきた敵を敷地内にしかけていた爆薬で全滅させてしまうのだ。

さすが、マイク・バニングのパパさんである。

危ない父親の協力も得ながら、マイクは一歩ずつ真相に近づいていく…。

話に新鮮味はないし、アクションシーンはなんだか雑だし、主役のマイク・バニングは疲れているし(身体がボロボロで引退を考えている)で、前2作と比べると低評価な作品だが、わたしはきらいではない。

マイク・バニングが疲れているのが良いのだ。

 

 

▶続いて、『ザ・アウトロー』。

2018年制作のアメリカ映画。

監督は「エンド・オブ・キングダム」を撮ったックリスチャン・グーデガスト

 

 

開始3分で早くも銃撃戦である“笑”。

年間2400件もの銀行強盗が起きる街ロサンゼルスが舞台。

伝説の銀行強盗メリーメンが企てる3000万ドルの銀行強盗計画と、それを阻止しようとする凄腕刑事ニック(ジェラルド・バトラー)との闘い。

うん? どっかで観たなぁ…と思ったら、マイケル・マン監督の「ヒート」ですやん!

まあ、でも最後にひとひねりあって、ただのアクションものではなかったので良しとしよう。

楽しめた。

 

 

 

▶秋競馬が始まったので、映画など観ている暇はないのだ。

毎日、競馬新聞の馬柱を熟読し、頭のなかでレースをシュミレーションし、過去の競馬動画を眺め、たまにキャプテン渡辺のYouTube動画をのぞき、あれもやり、これもやって、いろいろと忙しいのである。

そして今年は凱旋門賞に大好きなクロノジェネシスが出るし、ディープボンドも気になるし、阪神競馬場でやる菊花賞って大丈夫なのか?とも思うし、古井由吉の競馬エッセイが1冊にまとまったので読みたいし、あれも気になり、これも気になって、けっきょくいろいろと手に着かないのである。

こういう状態を世間では「浮足立ってる」と言うのかな?

 

『マスタング・アイランド』を観る。そして、ピカードと波平。

 

▶『マスタング・アイランド』を観る。

2017年制作のアメリカ映画。

モノクロ。

監督は、クレイグ・エルロッド。

主演は、メイコン・ブレア(好き)。

いまのところNetflixでしか観ることができない。

 

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少し世間とズレてる感じの3兄弟の物語。

メイコン・ブレア演じる長男(写真右端)が、大晦日に彼女にフラれるのだが、どうしても諦めることができず未練たらたらで、ついには次男(写真真ん中)の車で、彼女がいるであろうマスタング・アイランド(風光明媚な海辺の街で、別荘もたくさんある)まで行くことになる。

なぜか3人一緒である。

マスタング・アイランドで元カノの家を見つけるものの彼女はおらず、勝手に入り込んだ3人はそこで暮らし始める(いいのかよ)。

 

何かどんでもない事件が起こるわけではない。

「何か起こりそうで、何も起こらず、でも少し何か起こる」と言う、桃屋食べるラー油的な映画(好き)。

モノクロなのも良い(すごくキレイ)。

 

後半、街のレストランで働くウエイトレスが話にからんでくる。

 

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元カノに未練たらたらだったはずの長男と、このウエイトレスがいい仲になってしまうのである。

が、この女性は、次男が最初に目をつけた女性で、すこしだけ話がややこしくなる。

長男とウエイトレスの仲がどんどん深まり、兄弟の間がなんだか微妙になっている頃、長男の元カノが家に戻って来る…。

 

ラスト、気持の良い終わり方。

捨てる神あれば拾う神あり、ってことか。

 

ちなみに、長男役のメイコン・ブレアとウエイトレス役のリー・エディは、実生活では夫婦。

どちらも、冴えない人生をおくっている冴えないひとを演じさせたら抜群である。

 

 

 

▶ Suzanne Vega の『An Evening of New York Songs and Stories』(2020)を聴く。

 

 

ライブ・アルバム。

タイトルの Stories ってのが、いかにもスザンヌ・ヴェガっぽい。

 


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この動画のセットリスト。

“Luka”

“Crack In The Wall”

“I Never Wear White”

“Tom’sDiner”

 

わたし、スザンヌさんと同い年である。

どうでもよい情報だが。

 

 

 

▶わたしの頭髪は日々抜け続けており、このまま進むと遠からずジャン=リュック・ピカードのように禿げてしまうであろう(希望的観測)。

 

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ジャン=リュック・ピカードは、パトリック・スチュワートが演じる「スタートレック」の登場人物。

宇宙戦艦USSエンタープライズ号の艦長である。

なかなか悪くない。

と言うか、禿げ方としては理想的かっこ良さである。

 

が、わたしは今日、驚くべき事実に気がついてしまったのである。

なんと、わたしが理想とするジャン=リュック・ピカード氏と、我らが磯野波平氏の禿げ方が、ほぼ同じなのだ。

 

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なんと言うことだ!

わたしの頭部が、ピカードではなく磯野波平になる可能性も、かなりの確率であり得るのである。

って言うか、9分9厘波平だろう…。

くそっ。

 

『1001グラム ハカリしれない愛のこと』を観る。そして、“ライナスの毛布”化するスマホ。

 

▶『1001グラム ハカリしれない愛のこと』を観る。

2014年制作のノルウェー映画

監督は、ベント・ハーメル

 

 

例によって邦題がひどいが、原題はシンプルに「1001 Gram」で、ラストちかくでタイトルの意味がわかってホーッってなる。

 


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主人公は “計測の専門家” で、脇役はなんと “メートル原器” である。

心臓発作で倒れた父親の代わりに貴重なメートル原器(ノルウェー版)を持って、パリの国際会議に出席することになったマリエ。

世界中から各国版のメートル原器を持った研究者がパリに集まり、原器の重さに狂いがないか計測して、再び国に帰るのである。

その会議で、マリエは鳥の鳴き声を研究している男性と出会う…。

おっ、ラブコメモード発動かと思ったのだが、そうはならない。

 

お話は、あまり盛り上がることもなく淡々とすすんでいく。

その淡々ぶりが気持ち良い。

まあ、退屈なひとには、ずーっと退屈な映画なんだろうけど、わたし的にはその淡々さがツボで、いつまでも観ていたいタイプの映画だった。

 

冷たいかんじのマリエの顔が、徐々にまあるく暖かくなっていく。

その変化もじつに自然で良かった。

最後に下ネタ爆発 “笑” 。

 

けっきょくわたしは、派手なアクション映画とかより、こういう何も起こらない、でもちょっと何か起こる感じの作品が好きなんだな、と自分の好みを再確認した。

 

 

 

▶ Miguel Baselga のピアノでアルベニスを聴く。

 

Albeniz: Piano Music, Vol. 1 (Complete)

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いつもはド定番のアリシア・デ・ラローチャのピアノで聴くのだが、今日はよく知らないピアニストで。

ラローチャより硬いかな。

 

こちらは、アリシア・デ・ラローチャ

軽々と弾いてる。

 


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アルベニスと言えば、ギターも良き。

 


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スマホを忘れて散歩に出てしまった。

たかだか30分の散歩なのに、歩いている間ずーっと、なんだか落ち着かない。

途中で誰かに電話をするわけでもなく、なにかをググったりもしないだろうに、ポケットにスマホが入ってないと不安なのである。

チャーリー・ブラウン」の登場人物のひとりライナスくんは、使い慣れた毛布が手放せず、それがないと軽くパニックに陥るのだが、それと同じようにいつの間にかスマホが “ライナスの毛布” 化してしまっていたようだ。

 

帰宅後、机の上に見慣れたスマホを見つけて、フーッと安堵のため息をつく。

わたしは、始終スマホを見ずにはいられないほどの依存症ではないのだが、それでも手元にスマホがないと、少し不安になる。

いつの間にこうなったんだ?

むかしは、こんなものなくても平気だったのに…。

そんなことを考えながら、ぼんやりと目の前のスマホを眺めていると、LINEからのメッセージ通知が。

おっ、となって開いてみると、友だちからではなく、新作スタンプの案内だった…。

 

 

『ジブシーのとき』を観る。そして、どっと疲れる。

 

▶『ジブシーのとき』を観る。

1989年制作のユーゴスラビア映画。

監督のエミール・クストリッツァは、この作品によりカンヌ映画祭で監督賞を受賞。

 

 


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先日観た『チャンシルさんには福が多いね』のなかで、主人公のチャンシルさんが映画の道にすすむきっかけになった作品として紹介されていた。

約30年ぶりに観た。

岩波ホールで初めて観たときと同じで、作品が持つ圧倒的なパワーに2時間やられっぱなしだ。

“ザ・映画”って感じ。

チャンシルさんが映画の道にすすみたくなったのも、わかる気がする。

 

ジプシーの村で家族(不思議な治癒能力を持つ祖母、病弱な妹、ろくでなしの伯父)と共に暮らす純朴な青年ベルハン。

ある日、犯罪で財を成した男アメードが村に戻って来る。

アメードの息子の病気を治した祖母は、孫娘をイタリアの病院に連れて行ってくれとアメードに頼む。

ベルハンは、妹の付き添いとしてイタリアへ行くことになるのだが、妹を医者にみせるかわりにアメードの手下として働くことを余儀なくされる…。

すこしずつ悪の道に染まっていくベルハン…。

 

すべてが気持ちよく過剰である。

チャンシルさんが大好きな小津安二郎の作品が引き算の映画とするなら、こちらは足し算の映画だ。

監督の好きなものを(人間、動物、物)すべて詰め込んだ感じ。

そして、どれもが常に動いている。

ごちゃごちゃと賑やかに動いていて、かたときも止まってはいない。

 

ラストは、悲劇なのだが、すこしも悲しくない。

切なくはあるが、悲しくはない(涙は流れない)。

この映画のなかでは、すべてのものが等価で、生と死すらも等価なのだ。

 

ただただ圧倒されて、2時間が終わる。

どっと疲れた。

 

 

 

ジャンゴ・ラインハルト(Django Reinhardt) のベスト盤を聴く。

 

 

ジプシー(ロマ)・ミュージックってこれしか思い浮かばない。

 


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洗練さすぎてて、本来のジプシー(ロマ)・ミュージックとは、もはや別物なのかもしれない。

ヴァイオリンのステファン・グラッペリの存在は大きいな。

そして、ふたりともダンディやわぁ。

 


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『チャンシルさんには福が多いね』を観る。そして、地元のひとなら誰もが知っていること。

 

▶『チャンシルさんには福が多いね』を観る。

2019年制作の韓国映画

 

 

めっちゃ良いではないか!

今年になって観た映画で、まちがいなくベスト3に入る(もちろんわたし的にだが)。

 


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監督の急死によって無職となってしまった映画プロデューサーのチャンシルさん。

40歳、独身。

映画のことしかやってこなかったので、いきなり無職になっても何をして良いのかさっぱりわからない。

とりあえず高台にある超不便な家を借りて引っ越し、大家のお婆さんと暮らし始める。

食べるために、友人の女優のところで家政婦を始める。

その女優にフランス語を教えにきている年下の男性と、なんだか良い雰囲気になるチャンシルさん…。

ふたりで飲みに行って映画の話になり、男性が「小津安二郎は退屈。僕はクリスファー・ノーランの方が好き」と言ったとたんに、小津が大好きなチャンシルさんは、軽くぶち切れてしまう…。

「ノーラン!? はぁ?」

人生、なかなかうまくは運ばないのだ。

 

チャンシルさんにだけ見えるレスリー・チャンの幽霊も良い感じ。

「寂しいあまり、愛だと勘違いしているのです」とか「本当の望みがわかれば幸せになれます」とか、的確なアドバイスで常にチャンシルさんを励ますのである。

レスリー・チャンとぜんぜん似てないけど。

チャンシルさんに「香港に帰れば」みたいなことを言われてしまうけど。

でも良い奴。

そう、チャンシルさんのまわりには、基本(幽霊も含めて)良い奴しかいないのである。

だから観ていて気持ち良い。

 

映画がはじまってすぐにチャンシルさんが、歩いてるときに何もないようなところでつまずくシーンがある。

その瞬間、わたしのこころは、この映画に摑まれたのである。

主人公がつまずく映画は、良い映画である確率がきわめて高い(自分調べ)。

事件らしい事件は、なにも起こらないが、ずーっとチャンシルさんを観ていたくなる。

 

疲れたときにオススメの映画。

それにしても、クリストファー・ノーランは、あきらかにもらい事故だよなぁ “笑”。

 

 

 

▶ The Bad Plus の『Never Stop II』(2019)を聴く。

 

Never Stop II

Never Stop II

  • ザ・バッド・プラス
  • ジャズ
  • ¥1528

 

アメリカのピアノ・トリオ。

かっけーのひとことにつきる。

ほかに感想が思いつかない。

 


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5年ほど前にピアニストのイーサン・アイヴァーソンが脱退し、オリン・エヴァンスが加わった。

 

 

 

▶腰はだいぶ良くなり、杖なしでも歩けるようになった。

駅の階段とかは、まだまだ怖々降りてますけどね。

そんなに電車乗らないし。

 

今日の午後、ゆっくり散歩してたら近々開店するちいさな飲み屋を発見。

おしゃれなカフェっぽい酒場。

この時期にオープンするってのは、かなり勇気のいることではないだろうか。

それに場所がなぁ…。

ちょっと良さそうにみえる場所なんだが、その場所でオープンした店はことごとく閉店してるのだよ。

そういう場所ってありますよね?

地元のひとならみんな知っていることだが、不動産屋はそんなこと口が裂けても言わないよなぁ。

長く続けば良いけど。