▶『1001グラム ハカリしれない愛のこと』を観る。
2014年制作のノルウェー映画。
監督は、ベント・ハーメル。
例によって邦題がひどいが、原題はシンプルに「1001 Gram」で、ラストちかくでタイトルの意味がわかってホーッってなる。
主人公は “計測の専門家” で、脇役はなんと “メートル原器” である。
心臓発作で倒れた父親の代わりに貴重なメートル原器(ノルウェー版)を持って、パリの国際会議に出席することになったマリエ。
世界中から各国版のメートル原器を持った研究者がパリに集まり、原器の重さに狂いがないか計測して、再び国に帰るのである。
その会議で、マリエは鳥の鳴き声を研究している男性と出会う…。
おっ、ラブコメモード発動かと思ったのだが、そうはならない。
お話は、あまり盛り上がることもなく淡々とすすんでいく。
その淡々ぶりが気持ち良い。
まあ、退屈なひとには、ずーっと退屈な映画なんだろうけど、わたし的にはその淡々さがツボで、いつまでも観ていたいタイプの映画だった。
冷たいかんじのマリエの顔が、徐々にまあるく暖かくなっていく。
その変化もじつに自然で良かった。
最後に下ネタ爆発 “笑” 。
けっきょくわたしは、派手なアクション映画とかより、こういう何も起こらない、でもちょっと何か起こる感じの作品が好きなんだな、と自分の好みを再確認した。
▶ Miguel Baselga のピアノでアルベニスを聴く。
いつもはド定番のアリシア・デ・ラローチャのピアノで聴くのだが、今日はよく知らないピアニストで。
ラローチャより硬いかな。
こちらは、アリシア・デ・ラローチャ。
軽々と弾いてる。
アルベニスと言えば、ギターも良き。
▶ スマホを忘れて散歩に出てしまった。
たかだか30分の散歩なのに、歩いている間ずーっと、なんだか落ち着かない。
途中で誰かに電話をするわけでもなく、なにかをググったりもしないだろうに、ポケットにスマホが入ってないと不安なのである。
「チャーリー・ブラウン」の登場人物のひとりライナスくんは、使い慣れた毛布が手放せず、それがないと軽くパニックに陥るのだが、それと同じようにいつの間にかスマホが “ライナスの毛布” 化してしまっていたようだ。
帰宅後、机の上に見慣れたスマホを見つけて、フーッと安堵のため息をつく。
わたしは、始終スマホを見ずにはいられないほどの依存症ではないのだが、それでも手元にスマホがないと、少し不安になる。
いつの間にこうなったんだ?
むかしは、こんなものなくても平気だったのに…。
そんなことを考えながら、ぼんやりと目の前のスマホを眺めていると、LINEからのメッセージ通知が。
おっ、となって開いてみると、友だちからではなく、新作スタンプの案内だった…。