▶アンディ・ウィアーの新作『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読む。
昨夜、寝る前に何気なく読み始めたらやめられなくなり、けっきょく午前5時過ぎまで読み耽ってしまった。
読書で徹夜なんて久しぶりである。
ストーリーは、何をどう語ってもネタばれになるので、なにひとつ喋れない。
謎の宇宙船のなかでひとり目覚めた主人公が、人類滅亡の危機を救うために悪戦苦闘する話である。
上巻の160頁あたりに大きな爆弾がしかけられていて、そこからとんでもない展開がラストまで続く。
爆弾(ストーリー上のね)がさく裂したとき、主人公が「うっそだろ!」と叫ぶが、その叫びは読者の叫びでもある。
わたしは、その時点でいったん本を閉じて、珈琲を飲みこころを落ち着かせた。
そこからは、胸熱な展開がこれでもかと続き、ラストまで一気読みである。
主人公やストーリーのポジティブさとか、科学理論を基にした描写とか、SF的想像力の飛ばし方とか、どこかアーサー・C・クラーク御大の作品を彷彿とさせる。
ここにクラークが持っていた深遠さが加味されれば、著者はあっと言う間に巨匠になるにちがいない。
ライアン・ゴズリング主演で映画化が決定している(24年初頭に撮影開始)。
楽しみ。
▶朝食を食べたら、さすがに眠くなり、昼までうつらうつらと眠る。
起きて、外へ。
暑い!
思わず、ガンバレルーヤよしこ並に「クソがっ!」と叫びたくなるほど暑い。
夏だから暑いのは当たり前、なんてことを通り越してる気がする。
谷中の台湾カフェ「狐月庵」で涼む。
台湾コーラなるものを飲む。
独特の香り。
どこかで嗅いだ香りだと思いながら飲んでいたら、ひと口飲んだ妻が「あっ、あなたが腰に貼ってる湿布薬とおなじ匂い!」と言い、そうなるともう湿布薬を飲んでるとしか思えなくなったw。
まあ、不味くはなかったのだが。
いっしょに写っている本は、図書館で借りた阿部謹也の『ハーメルンの笛吹き男』。
▶夕食後、ヒッチコックの『サイコ』を観る。
わたしが完璧だと思う映画のひとつ。
妹が登場して謎解きが始まる後半より、ジャネット・リーがアンソニー・パーキンスに殺されるまでの前半が好き。
今年はヒッチコックの主な作品をすべて観直そうと思っていて、これがその3本目。
▶Brad Mehldau の『Your Mother Should Know : Brad Mehldau Plays The Beatles』(2023)を聴く。
「Baby's in Black」とか「She Said, She Said」とか「If I Needed Someone」とか、超有名どころをはずした選曲がしびれる。
みんな「Let It Be」をやりたがるw