▶相変わらず、夜の眠りが浅い。
今朝も、明け方4時頃に起きてしまう。
しかたないので、例によって古臭い映画を観る。
小学生の頃、NHKかなんかで観た記憶が薄っすらとあるだけで、どういう話かは知らずに観た。
いやあ、凄いなこれは。
江戸の貧乏長屋。
浪人者が首をくくり、その弔いで長屋の住人がどんちゃん騒ぎを繰り広げる。
ふむ、貧乏長屋の人情噺なわけね、と思いながら観ていると、話はどんどん妙な方向にずれて行く。
富めるものと貧しいものとの格差。
貧しい人たちの矜持。
貧しさからなんとか這い上がろうとする侍とその挫折。
そういう重いテーマを、ふわふわと漂うように描きながら、衝撃のラストへとつなげていく。
山中貞雄、28歳の作品。
映画公開の当日に召集令状が届き、戦地へ。
そして帰らぬ人となる。
生きていれば、間違いなく黒澤や小津と並び称される監督になっていただろう。
ちなみに、主役の侍(海野又十郎)を演じた河原崎長十郎は、妻役の山岸しづ江と実生活でも夫婦となり、生まれた息子たちが、河原崎長一郎、次郎、健三(みんな役者ですね)である。
山岸しづ江の妹の娘が、岩下志麻ってのには、ちょっとびっくり。
▶続いて、なにを思ったか『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』を観てしまう(笑)。
いやあ、酷いなこれは。
冒頭、次のような字幕が出る。
かつて、ヒッチコックが「鳥」という映画を撮ったとき、人々は、鳥が人間を襲うわけねーじゃんと笑ったが、そう言う事件がじっさいに起きると、誰も笑わなくなった…。
で、トマトが人間を襲うのである。
赤いトマトがころころと人間に迫り、人間が悲鳴をあげてトマトに食われてしまうのだ。
話が雑すぎるわ(笑)。
特撮も学芸会レベルだし。
役者の演技も素人臭いし。
ここまで酷いと、なんかアート作品に思えてくるから不思議だ。
どんなアートだよ、とは思うが。
調べてみると、なんと続編も出ている。
さらに驚いたことに(今日、いちばん驚いた)準主役としてジョージ・クルーニーがでている!
もちろん不遇をかこっていた下積み時代の話だ。
かれがTVドラマ「ER」でブレイクする6年ほど前のことである。
苦労したんだね、ジョージ。
▶ジョージ・クルーニーの人生に思いをはせながら、ピタパンにサラダを挟んで遅い朝食。
東スポを睨みながら競馬予想をするも、かたく収まりそうでやる気が起きない。
なんだか、だらだらと時間が過ぎていく。
こうやって、だらだらと人生も過ぎていくのかな…?
いかん、いかん。
ジョージ・クルーニーの人生に思いをはせている場合ではない。
奴はセレブだ。
自分の人生に思いをはせないとね。
はせたところで、どうなるものでもないのだが(笑)。