▶『AWAKE』を観る。
2019年制作の日本映画。
AI将棋とプロ棋士の闘いを描いた作品。
ざっくりすぎる説明だけど。
いやあ、面白かった!
主人公の英一(吉沢亮)は現在大学生、AI研究部みたいなところに入って将棋ソフトのプログラミングに没頭している。
かつては将棋の奨励会に所属してプロ棋士を目指していたが、同世代の陸(若葉竜也)の圧倒的な強さと才能に屈して、プロ棋士の道を諦めた過去を持つ。
大学に入ってからも、将棋以外なにもやってこなかった英一は、陰キャラオーラ全開で浮きまくり、孤独な学生生活を送っていた。
たまたま父親がやっていた将棋ゲームの強さに驚き、大学のAI研究サークルに入り、将棋ソフトの開発に没頭するようになる。
やがて、自らが開発した最強の将棋ソフト「AWAKE」とともに、英一は将棋の世界に戻って来る。
闘う相手は、かつて自分にプロ棋士への道を諦めさせた男、陸である。
ほぼ実話。
じっさいの対局は、ニコニコ動画で生配信された。
(わたし、当時この対局をみたくてニコ動に会員登録しました)
その頃すでに、「AWAKE」の弱点はマニアの間では知れわたっていて、注目は、相手棋士(映画では陸、じっさいは阿久津主税)が、そしてAWAKEが、その手を指すかどうかだった。
映画も、対局の場面では、そこをメインに据えている。
結末を知っていてもドキドキする。
吉沢亮が良いねぇ。
超絶二枚目なんだけど、陰キャラのオタク。
(ツィッターに、陰キャラは吉沢亮になれないのに、吉沢亮は陰キャラになれるのズルイ、っ書き込みがあって笑った)
わたし、さいきんの日本の若手俳優の顔をまったく覚えられないのだけど、吉沢亮は憶えました。
なんならファンになりました。
まっ、この映画しか知らないのだけど。
人間関係の部分には深く入り込んでないところも、良かった。
英一は、父子家庭で育っているのだが、なぜ父子家庭なのかは最後まで語られない。
父親(中村まこと)との交流も最低限の描写だけど、親子の愛情の部分はきっちおさえている。
コンピュータvs人間というメインテーマと、それを邪魔しない程度の人間関係描写。
バランスの良い映画だと思った。
ラストも良い。
まあ、ちょっと作り過ぎな感じはあるが、終わり方としては爽やかで良い。
気分の良くなる映画だ。
将棋がまったくわからなくても楽しめる。
おすすめ。
▶ Karen Dalton の『In My Own Time』(1971)を聴く。
1937年にアメリカ・オクラホマ州で生まれ、1993年ニューヨークの片隅で生涯を終えたフォーク・シンガー。
ボブ・ディランも魅了されたというそのヴォーカルは、いちど聴くと忘れられなくなる。
少しかすれた、ブルージーナ歌声が12弦ギターの音と重なり、どくとくの世界を見せてくれる。
アルバム冒頭の曲。
アーティストのなかには、「死なないと有名になれない呪い」をかけられたひとが、たまにいるよね。
カレン・ダルトンも、そういう呪いをかけられたひとのひとりだ。
▶カレン・ダルトンの歌声を聴きながら、ソール・ライターの写真集を眺める。
私が写真を撮るのは自宅の周辺だ。
神秘的なことは馴染み深い場所で起きると思っている。
なにも、世界の裏側まで行く必要はないんだ。
見ていて飽きない。
▶雨の休日。
雨降りだと、腰が痛い。
ジジイかよ。
あっ、ジジイだったわ “笑”。