▶午前5時起床。
すっかり朝が明るくなった。
目覚めた時にカーテンに陽が差していると、「ん?昼まで寝てしまったのか?」と、少し脳がバグってしまう。
今朝は、カラスがうるさい。
うちのベランダの手すりにも1羽とまってカーっと鳴いている。
誰か死ぬのか?
死ぬのは、わたしなのか?f(E. A. ポーの世界…)
▶ゆっくりと珈琲を飲み、気持を落ち着かせてから映画を1本。
『リザとキツネと恋する死者たち』を観る。
2015年制作のハンガリー映画。
監督は、カーロイ・ウッイ・メーサーロシュ。
この監督は、この愛らしい映画のあと『X(エックス)謀略都市』と言う、どちらかと言うとB級よりの刑事アクションものを撮っているので、けっこう振り幅の大きい人なのかも知れない。
1970年代のブタペスト、日本大使未亡人宅で住み込み看護人として働くリザ。
めったに外出することもない孤独なリザの唯一の友達が、日本人歌手のトミー谷。
亡霊なのかリザの妄想なのか、トミー谷はリザにしか見えない。
歌って踊って、孤独なリザを励まし続ける。
ある日、意を決して外に遊びに出るリザ。
が、彼女が留守にしている間に未亡人が謎の死をとげてしまう…。
そして、その事件以降、リザのまわりで次々と人が死んでいく。
皆、リザが付き合おうとした男性ばかりである。
とうぜん、リザは警察に目をつけられてしまう。
警察署長は、リザが連続殺人犯だと確信し、なんとか証拠をつかもうと彼女の監視を続けるが、その間にも死者は増えていく。
そこに、リザの無実を信じるひとりの刑事が登場し、事態は意外な方向へと転がっていく…。
首を負傷した刑事が装着する謎の器具。
おそらく首が動かないようにしているのだろうが…初めて見るな。
このシーンだけで、元がとれた気分。
トミー谷が歌って踊るシーンは、どれも楽しい。
微妙に下手くそな日本語も素敵。
そう言えば、『サタンタンゴ』もハンガリー映画だなぁ。
ハンガリーって何気に映画優秀国(?)なのかな。
▶朝食のあと、急な睡魔に襲われて二度寝。
目が覚めたら昼過ぎである。
やれやれ。
わたしの母が、「眠いときには無理せずに寝ないと、親しい人が死ぬ」と、わりと怖いことを言って、ほいほい寝ていたのだが、どうやらこの話は母の創作だったようで、誰にきいても、何を調べても出てこない。
しかし、ちいさい頃に聞かされた話はこころのどこかに沁みついていて、眠気が襲ってくると「やばい、寝ないと誰か死ぬ」と思ってしまうのである。
頭では、「そんなバカなことあるわけない」とはわかっているのだが、もしかしたらという、ちょっとした恐怖感がぬぐい切れない。
そう言うわけで、わたしも眠くなると、ほいほい寝てしまうのである。
▶夕方、ちかくのサンマルク・カフェまで歩いて、読書など。
この店には、1席だけ座り心地の良い椅子の席があって、今日はそこが空いていてラッキーだった。
腰痛持ちのわたしにとって、カフェの価値を決めるのは、音楽でもフードでもなく、椅子なのである。
夏目漱石の『門』を読む(たぶん3度目)。
親友の恋人を奪って世帯を持った宗助の悩み多き人生。
宗助の、すべてを諦めてしまった感が凄い。
明治時代、略奪婚ってそんなにダメなことだったのか。
宗助と御米が、世間をはばかって暮す崖下の家の侘しい描写も、さすが漱石先生って感じ。
夏目漱石って、めちゃくちゃ小説がうまいな(いまさらw)。
罪悪感からの救いを求めて禅宗の門をくぐった宗助が、宗教に即効性がないことを知って、軽く逆ギレするところが、いかにも漱石っぽくて好き。
映像化されてないのかなと思って調べてみたら、風間杜夫と有森也実主演でドラマ化されていた。
脚本が早坂暁で、演出が大山勝美なので、おそらくNHKドラマかな。
うーん、風間杜夫はともかく、御米は有森也実じゃないのよなぁ。
▶Buddy&julie Miller の『Lockdown Songs』(2020)を聴く。
アメリカの夫婦デュオ。
ジュリー・ミラーのドスのきいた声のせいでロックっぽくなってる。
旦那のバディ・ミラーはアメリカーナ界では、けっこう有名。
冒頭、あいさつしているのがバディ。
それにしても、凄いメンツ。
エミルー・ハリスの銀髪魔女感とボニー・レイットの大姉御感w
▶観ようと思っていた『Air / エアー』も『ケイコ目を澄ませて』も、TSUTAYAに並ぶ前にアマプラで配信されるとは、すごい時代になったものだ。
もうすぐディスクの時代は終わりなのかな…?