単純な生活

映画・音楽・読書について、だらだらと書いている

ありふれた日常 #29 / もうすぐディスクの時代は終わりなのかな…?

▶午前5時起床。

すっかり朝が明るくなった。

目覚めた時にカーテンに陽が差していると、「ん?昼まで寝てしまったのか?」と、少し脳がバグってしまう。

 

今朝は、カラスがうるさい。

うちのベランダの手すりにも1羽とまってカーっと鳴いている。

誰か死ぬのか?

死ぬのは、わたしなのか?f(E. A. ポーの世界…)

 

 

▶ゆっくりと珈琲を飲み、気持を落ち着かせてから映画を1本。

『リザとキツネと恋する死者たち』を観る。

2015年制作のハンガリー映画

 

監督は、カーロイ・ウッイ・メーサーロシュ。

この監督は、この愛らしい映画のあと『X(エックス)謀略都市』と言う、どちらかと言うとB級よりの刑事アクションものを撮っているので、けっこう振り幅の大きい人なのかも知れない。


www.youtube.com


www.youtube.com


www.youtube.com

 

1970年代のブタペスト、日本大使未亡人宅で住み込み看護人として働くリザ。

めったに外出することもない孤独なリザの唯一の友達が、日本人歌手のトミー谷。

亡霊なのかリザの妄想なのか、トミー谷はリザにしか見えない。

歌って踊って、孤独なリザを励まし続ける。

 

ある日、意を決して外に遊びに出るリザ。

が、彼女が留守にしている間に未亡人が謎の死をとげてしまう…。

そして、その事件以降、リザのまわりで次々と人が死んでいく。

皆、リザが付き合おうとした男性ばかりである。

とうぜん、リザは警察に目をつけられてしまう。

警察署長は、リザが連続殺人犯だと確信し、なんとか証拠をつかもうと彼女の監視を続けるが、その間にも死者は増えていく。

そこに、リザの無実を信じるひとりの刑事が登場し、事態は意外な方向へと転がっていく…。

 

首を負傷した刑事が装着する謎の器具。

おそらく首が動かないようにしているのだろうが…初めて見るな。

このシーンだけで、元がとれた気分。

 

トミー谷が歌って踊るシーンは、どれも楽しい。

微妙に下手くそな日本語も素敵。

 

そう言えば、『サタンタンゴ』もハンガリー映画だなぁ。

ハンガリーって何気に映画優秀国(?)なのかな。

 

 

▶朝食のあと、急な睡魔に襲われて二度寝

目が覚めたら昼過ぎである。

やれやれ。

わたしの母が、「眠いときには無理せずに寝ないと、親しい人が死ぬ」と、わりと怖いことを言って、ほいほい寝ていたのだが、どうやらこの話は母の創作だったようで、誰にきいても、何を調べても出てこない。

しかし、ちいさい頃に聞かされた話はこころのどこかに沁みついていて、眠気が襲ってくると「やばい、寝ないと誰か死ぬ」と思ってしまうのである。

頭では、「そんなバカなことあるわけない」とはわかっているのだが、もしかしたらという、ちょっとした恐怖感がぬぐい切れない。

そう言うわけで、わたしも眠くなると、ほいほい寝てしまうのである。

 

 

▶夕方、ちかくのサンマルク・カフェまで歩いて、読書など。

この店には、1席だけ座り心地の良い椅子の席があって、今日はそこが空いていてラッキーだった。

腰痛持ちのわたしにとって、カフェの価値を決めるのは、音楽でもフードでもなく、椅子なのである。

 

夏目漱石の『門』を読む(たぶん3度目)。

 

親友の恋人を奪って世帯を持った宗助の悩み多き人生。

宗助の、すべてを諦めてしまった感が凄い。

明治時代、略奪婚ってそんなにダメなことだったのか。

宗助と御米が、世間をはばかって暮す崖下の家の侘しい描写も、さすが漱石先生って感じ。

夏目漱石って、めちゃくちゃ小説がうまいな(いまさらw)。

罪悪感からの救いを求めて禅宗の門をくぐった宗助が、宗教に即効性がないことを知って、軽く逆ギレするところが、いかにも漱石っぽくて好き。

 

映像化されてないのかなと思って調べてみたら、風間杜夫有森也実主演でドラマ化されていた。

脚本が早坂暁で、演出が大山勝美なので、おそらくNHKドラマかな。

うーん、風間杜夫はともかく、御米は有森也実じゃないのよなぁ。

 

 

▶Buddy&julie Miller の『Lockdown Songs』(2020)を聴く。

Lockdown Songs

Lockdown Songs

  • バディ&ジュリー・ミラー, バディ・ミラー & ジュリー・ミラー
  • アメリカーナ
  • ¥1528


www.youtube.com

 

アメリカの夫婦デュオ。

ジュリー・ミラーのドスのきいた声のせいでロックっぽくなってる。

 

旦那のバディ・ミラーはアメリカーナ界では、けっこう有名。

冒頭、あいさつしているのがバディ。

それにしても、凄いメンツ。

エミルー・ハリスの銀髪魔女感とボニー・レイットの大姉御感w


www.youtube.com

 

 

▶観ようと思っていた『Air / エアー』も『ケイコ目を澄ませて』も、TSUTAYAに並ぶ前にアマプラで配信されるとは、すごい時代になったものだ。

もうすぐディスクの時代は終わりなのかな…?