単純な生活

映画・音楽・読書について、だらだらと書いている

ありふれた日常 #37 / 聴いていると“こころが洗われる”。

▶妻、手術も無事終わり、本日退院。

1週間ぶりに、ありふれた日常が戻って来る。

…とは言っても、病み上がりの妻にいろいろやってもらうわけにもいかず、しばらくはわたしが買い物やら料理やらをやらなければならない。

まっ、健やかなるときも病めるときも、ってことで。

 

 

▶朝食のあと、久しぶりに『レイダース~失われたアーク~』を観る。

 

何回も観てる作品だが、何回観ても面白い。

とくにラストちかくのカーチェイスは素晴らしい。

ヒロインのカレン・アレンも素敵。

 

第54回アカデミー賞の作品賞・監督賞、ともに逃している。

このとき作品賞を受賞したのは、いまや語られることもない『炎のランナー』である。

炎のランナー』が出来の悪い作品とは思わないが、とうじは「選考委員の眼はふし穴か!」と思ったし、いまでもそう思っている。

『レイダース』のような完璧な娯楽作品が、作品賞も監督賞も受賞できないなんて、スピルバーグはよほど嫌われているんだな、と思った。

 

 

▶で、続けて『フェイブルマンズ』を観る(3度目)。

 

ずるいなぁデビリンw。

いいところ全部ひとり占めだ。

リンチには、演技の拙さを大声を出すことによってカバーすると言う必殺技があって、こんかいもその技を繰り出しているような気がする。

 

ラスト、カメラがクイッと動くところ、なんど観ても震える。

こんな傑作を作れるようなひとが、なぜ『レディ・プレイヤー1』のような映画も作れてしまうのか、謎だ。

 

『フェイブルマンズ』もアカデミー賞とれなかったなぁ…。

作品の風格から言ったら、『エブエブ』なんかよりぜったい『フェイブルマンズ』だと思うのだが。

選考委員たちの時代への忖度に負けったって感じがする。

スピファンとしては、いささか悔しいのである。

 

 

▶昼は、ひと口大にカットした鶏むね肉を溶かした片栗粉でコネコネしたのち茹で(いわゆる水晶鶏ってやつですね)、ネギ塩レモンダレをかけて食べる。

妻は開腹手術のあとなので、ゆっくりと、いつもよりたくさん噛んで食べている。

開腹手術のあと1カ月くらいは腸閉塞に要注意なのだ。

 

食べることのできない(あるいは食べるのに注意を要する)食材のリストを頭に叩き込んで、料理はわたしが作っている。

まずキノコ類がすべてダメ。

こんにゃくやレンコンやごぼうなどの腸に良いとされる食材はすべてアウト。

ナッツや豆類もダメ(だから納豆もダメ)。

炭酸水もダメ、麺類もできたら避けた方が良い(ずるずると吸い込むので、そのとき必要以上に空気を飲み込んでしまう)。

びっくりしたのは、果物の柿がダメってこと。

柿は胃の中で石のように固くなるらしい(“柿石”という言葉があることを初めて知った)…油断も隙もないな(季節的に柿はないので良いけど)。

しばらくは、慎重な食生活が続く。

 

 

▶食後、寝る。

2時間ほど寝るつもりが、倍の4時間も寝てしまった。

久しぶりの料理作りで疲れたのか…?

 

 

▶夕食は、餃子。

ニラは入れてない(ニラも要注意食材なのだ)。

 

 

エグベルト・ジスモンチEgberto Gismonti)の『Alma』(1986)を聴く。

 

エグベルト・ジスモンチは、ブラジルの至宝とも言うべきピアニスト(ギターも上手い)。

ジャンル分けだとジャズになってしまうようだけど、ジャンル分けが難しいアーティストのひとり。

クラシックの要素も強い。

Alma』は、ピアノソロのアルバム。

音楽が、ある種の人々にとっては救いになり得ることを証明するような作品である。

月並みな表現だが、聴いていると“こころが洗われる”。

 


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こちらは、ビアンカ・ジスモンチ。

エグベルトの愛娘。


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▶音楽にこころを洗われ、清いこころになって眠りにつく。