単純な生活

映画・音楽・読書について、だらだらと書いている

ありふれた日常 #46 / 映画は好きだが映画館は苦手だった

 

▶5時に目覚める。

寒い…。

外は風が強いらしく、その音でよけい寒く感じる。

寝床から出たくない。

だけど、よく考えたら寝床からどうしても出なければならない理由が、これと言ってあるわけではないので、しばらくはぬくぬくと過ごす。

 

ぬくぬくとしながらスマホで映画。

大画面で映画を観たいと思わなくなって久しい。

腰痛のせいで映画館の椅子に長時間座ることが出来なくなったと言うのもあるが、誰にも邪魔されずにひとりでひっそりと観るほうが、わたしの性に合っているようなのだ。

もともと映画は好きだが映画館は苦手だった。

見ず知らずの人たちと2時間ちかく同じ空間に閉じ込められると言うのが、どうにも居心地が悪かった。

まあ、映画が始まってしまえば、そんなことはあまり気にならなくなるのだが、映画館に入るには、やはりエイヤッと少し気合をつけなければならなかったのだ。

シネマスクウェア東急、三鷹オスカー、池袋文芸座地下、飯田橋ギンレイホール、吉祥寺バウシアターなどなど…好きな映画館はたくさんあったが、それでもそこへ向かうときには、ちょっとだけ憂鬱になっていたのである。

なので、ビデオなるものが登場したときは純粋に嬉しかった。

わざわざ苦手な映画館に足を運ばなくても、自宅で映画が観れるのである!

しかも、名のみ高くて観ることが叶わなかった名作が自宅で見放題なのだ。

1日に2本くらい観ていたはずである。

が、あれから40年以上経って、いまだに記憶に残っている映画は、ビデオで観た名作ではなく、映画館で観た作品ばかりなのである。

三鷹オスカーのオールナイトで観た『ダーティハリー・シリーズ』とか、新宿のシネマスクウェア東急で観た『フィッツカラルド』とか、新宿ピカデリーで観た『スカーフェイス』とか、岩波ホールで観た『木靴の木』とか、それぞれの作品にそれぞれの想い出がくっついている。

どこの映画館で観たかはもちろんのこと、観たときの気分とか、買ったポップコーンの甘ったるい味とか、休憩時に入ったトイレの匂い(三鷹オスカーは臭かったw)とか、一緒に観に行った友達が喋った感想とか、すべて作品とセットで記憶しているのである。

おそらく死ぬときに思い返す映画は、そういう映画たちなのだろう。

寝床でぬくぬくとしながらスマホで観ている映画は、1年後には観たことすら忘れているのかもしれない。

まあ、それはそれでしかたない。

むしろ、映画にまつわる想い出が、わたしのなかにしっかりと(しかも数多く)残っていることを喜ぶべきなのかもしれない。

死の床で、わたしがひきつったように唇をゆがめたとしたら、それは苦しいからではなく、三鷹オスカーで観たダーティハリークリント・イーストウッドを思い出し、あの笑い方を真似しているからなのである。

 

話がとっちらかってしまったが、今朝スマホで観た映画は、CGバリバリのSFアクション『アリータ:バトル・エンジェル』。

監督は、ロバート・ロドリゲス

 

続編の制作が決定したらしいが、それが公開される頃には、この1作目の内容はすっかり忘れている気がする。

あっ、つまらなくはないです。

 

 

▶映画を観終わってもなお寝床から出たくなくて、だらだらとYouTubeを見て過ごす。

が、おすすめに出て来た映像(と歌)を見て(聞いて)、ふとんから抜け出し正座をして、動画を何回も見直す。


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ひょっとしたらコレが元歌ではないのか、と言うほどの歌唱である。

宇野千代子って人が歌っている。

で、宇野千代子って誰だよ?

ググってもわからず(小説家の宇野千代ばかり出てくる)、謎の逸材にしばし茫然としながら動画を見続ける。

 

しばらく調べて、この宇野千代子と言うひとが高泉淳子と言う劇作家&女優&歌手と同一人物だと言うことがわかった。

わかって、さらに驚いたのだが、高泉淳子って、むかし朝の子供番組「ポンキッキーズ」で少年の格好をしてMCをやっていたひとなんだね。

たまに見てたわ~大人だったけど。

宇野千代子と言うのは、高泉淳子が扮するキャラのひとりらしい。

うーん、表現者って凄いな。

 


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▶けっきょく昼過ぎにのそのそと起き出し、食事をしてから散歩に出る。

妻とふたりで、てくてくと本郷のスタバまで歩く。

店に入り(いつも混んでいる)、なんとか席をみつけて、珈琲とドーナツを注文。

スタバのドーナツはわりと好き。

 

スタバで、マイクル・コナリーの『トランク・ミュージック』を読み終わる。

 

ハリウッドの刑事ハリー・ボッシュ・シリーズの5作目。

1作目で登場し、きわめて重要な役を果たしたFBI捜査官のエレノア・ウィッシュが再登場する。

ハリーにとっては、“運命の女性”である。

エレノアとハリーの今後が気になって、事件があまり頭に入ってこなかった。