単純な生活

映画・音楽・読書について、だらだらと書いている

東宝の『変身人間シリーズ』を観る

 

東宝制作の「変身人間シリーズ」3作をまとめて観る。

(暇か…)

 

「変身人間シリーズ」は、1958年から1960年にかけて作られた大人向けの特撮映画。

特技監督(特撮の監督ですね)は、3本とも円谷英二

いずれも、科学技術によって姿を変えられた人間が登場し、事件を起こす。

 

 

 

1作目:『美女と液体人間』(1958)

 

美女と液体人間  [東宝DVD名作セレクション]

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監督は、本多猪四郎

南太平洋の水爆実験によって放射能を浴びた人間が、液体人間となってしまう。

設定が無茶だ “笑”。

液体人間になった男(やくざ者)の情婦だったジャズ・シンガー千加子(白川由美)のまわりで不可思議な事件が頻発し、刑事たちが周辺を探っていく。

途中で、放射能による生物の液体化を研究している研究員の政田(佐原健二)も捜査に参加してくる。

政田が、刑事たちに見せる実験が凄い。

ガマガエルに特殊な放射線をあてると、ガマが溶けて液体になるのである。

「液体生物に変化したんです」

って、凄い発見じゃないか!
最後は、永代橋周辺が火の海という大スペクタクルに無理やり持ちこんで終わりなのだが…。

 

最後まで観てしまったのは、白川由美が色っぽいからですかねぇ。

下着姿にもなってくれるしね。

 

 

2作目:『電送人間』(1960)

 

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監督は、福田純

これがデビュー2作目である(のちに、大ヒットしたTVドラマ『西遊記』のメイン監督となる)

 シリーズ3本のなかでは、ストーリーがちょっとまとも。

終戦末期のどさくさで殺されそうになった被害者が、“電送”という新しい科学技術を手に入れて復讐していく話。

スタートレックの“転送”技術よりはるかに早いじゃないか!

この作品もヒロインは白川由美

ちょっとだけ下着になるが、1作目よりは地味だ(なにを期待しておるのか?)

主役は、なんと鶴田浩二

電送人間役の中丸忠雄が、不気味で怖い。

 

 

3作目:『ガス人間第一号』(1960)

 

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監督は、1作目に続き本多猪四郎

『液体人間』と『電送人間』では刑事役だった土屋嘉男が、こんどはガス人間となって大暴れだ。

マッドサイエンティストによってガス人間に変えられてしまった水野(土屋嘉男)が、自らの恋愛を成就するために、いろいろと悪事を働く話。

水野が行う犯罪も、それに対する警察の捜査も、すげー雑。

と言うか、映画の構成じたいが、ものすごく雑。

観ていて、ちょっといらいらするレベルで、思わず「もっとちゃんと作れ!」と言いたくなる。

が、そうぼやきながらも、最後まで観てしまうから不思議だ。

 

しかし、この作品での主役は、ガス人間ではなく、日本舞踊の家元藤千代を演じる八千草薫なのだ。

いやあ、美しい(撮影当時29歳)。

ストーリーの雑さなんか、彼女の美しさの前では、もうどうでも良くなるのだ。

神様が、「よーし、久しぶりに本気出してみっかな」って作ったのだが、たぶん八千草薫なんだろうね。

この八千草薫扮する藤千代と、ガス人間との恋愛がストーリーの核なのだが、惜しいかな、肝心の恋愛部分がほとんど描かれない。

だから、ちゃんと作れよ…。

ラストは、切ない…。

 

 

3作とも、ストーリーも特撮もすごくしょぼい。

でも、途中で観るのをやめる気は起きず、最後まで楽しんで観てしまった。

つっこみどころは満載なのに、いちども嫌になることなく。

なぜ観れてしまうのだろう?

別世界のような、昭和の風景のせいかな?

白川由美の妙な色気のせいか?

八千草薫の美貌のせいか?

少し真剣に考えてみたが、よくわからんのだな、これが。

 

「変身人間シリーズ」を絶賛している人たちがいることは知っているが、どう考えても“絶賛”するほどの映画ではないよなあ。

“絶賛”は、斜に構えすぎだろうと思ってしまう。

「つっこみどころを愛する」というシネフィル特有のエグミも感じる。

 

いかん、愚にもつかないことをダラダラと書いている。

結論:暇なら観るよろし。

 

 

 

▶ Shawn Colvin の『A Few Small Repairs』(1996)を聴く。

 

A Few Small Repairs

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  • ショーン・コルヴィン
  • ポップ
  • ¥1630

 

わたしの愛聴盤のひとつ。

ときどき聴きたくなる。

 


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この楽曲でグラミー賞を受賞している。

良い声。

 

 

 

▶さいきん、加齢のせいか物事にたいする集中力がなくなっている。

とくに映画を観たり、本を読んだりすることに集中できない。

 

たとえば1本2時間の映画を、2時間観続けることが難しい。

映画館なら強制的に観させられるわけだが、なにしろ観てるのが主にDVDか配信である。

いつでも好きな時にポーズボタンやストップボタンを押せるのだ。

そりゃあ、押すよねぇ。

2時間も集中力を保つのは、さすがにしんどい。

 

本も、長くて30分だなあ。

ちいさい頃から集中力の無さには悩んでいて、結果、読書にかんしては、数冊の本を並行して読むという方法に落ち着いた。

高校生の頃にはすでに、5冊ほどの本を同時に読んでいた。

調子の良いときには、トルストイの『戦争と平和』、ドスト氏の『カラマーゾフの兄弟』、三島由紀夫の『豊穣の海』、ロマン・ロランの『ジャン・クリストフ』、D・フランシスの『競馬シリーズ』を同時に読んでいた。

アスリート気分か?

 

いまは、この同時読みがまったくできない。

1冊30分で、1日分の読書エネルギーが枯渇する感じ。

どう考えても加齢だな。

やれやれ。