単純な生活

映画・音楽・読書について、だらだらと書いている

『アド・アストラ』を観る。そして夏競馬ムズい…。

 

▶『アド・アストラ』を観る。

2019年制作のアメリカ映画。

ブラピ主演のSF。

 

 


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あまり評価が高くない感じなので、観るのをためらっていたのだが、結果としては観て良かった。

まあ、低評価の理由もなんとなくわかる。

最初から最後まで、ずーっと地味なんだよねぇ。

ガツンとした盛り上がりに欠けるのだ。

 

舞台は、近未来。

すでに月と火星に有人基地が出来ていて、遠く海王星には有人の探査船が浮かんでいる。

SF作品によくあるようなディストピアではなく、現代の科学技術から想像できる範囲の実現可能な未来である。

 

太陽系外縁部に知的生命体探査の旅に出たまま消息を絶った父親(トミー・リー・ジョーンズ)を、自身も有能な宇宙飛行士である息子(ブラット・ピット)が探しに行く。

その困難な旅の過程で、敵に襲われたり、事故にあったり、いろいろあるのだが、すべてイマイチ盛り上がらない。

描写が淡々としていると言うか…、リアルを追及しすぎたせいでケレン味が薄まったと言うか…、SFには必須要素のセンス・オブ・ワンダーってのが、ほぼないのだ。

全編ブラピのモノローグで話が進んでいくのだが、これがけっこう辛気臭くて“笑”、宇宙版の私小説って感じになってる。

 

宇宙が舞台だからと言って、大きな物語を期待して観ると、見事に肩透かしを食う。

普通の家庭のキッチンとかお茶の間で繰り返されているようなちいさな物語を、宇宙空間に移した感じだ。

なので、ラストのカタルシスも、ひとが娯楽S作品に期待するような大きさではなく、しょぼい。

 

でも、わたしは嫌いではない。

観て良かった。

ブラピのさいごの笑顔が、救いだ。

妻役のリブ・タイラーも、ほぼセリフがないせいか、「アルマゲドン」のようにバカっぽくはなかったし。

 

ここまで書いて読み返したが、この紹介文を読んで「じゃあ観てみよう!」とはならんよなあ…。

 

 

 

The Knack の『Get The Knack』(1979)を聴く。

 

Get the Knack

Get the Knack

  • ザ・ナック
  • ポップ
  • ¥1731

 

「My Sharona」以外にも良い曲がけっこうあるのだが、なにぶん「My Sharona」が良すぎたんだよねぇ。

 


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ビートルズとの親和性高し。

 

 

 

▶ 夏競馬、ムズいなぁ…。

かならずと言っていいほど人気薄が絡んでくる。

そういう馬を狙えるような馬券術は持ち合わせていないからなぁ。

「夏はお休み」が、正解なのかな?

 

 

 

▶「ひと昔映画日記」という映画ブログを見つけた。

グラン・トリノ」のような現代の作品から、なんと「大列車強盗」のような古典(歴史的資料と言ってもよい)まで、幅広く観ている。

読み始めたら面白くて、けっきょく全記事を読んでしまった。

わたしと観ている映画がかなりかぶっていて、少し親近感をもった。

が、2年ほど前に更新が止まっている。

最初のアップが2010年の8月で、最新が2019年の11月である。

なぜ更新が止まったんだろう?

疲れたのかな?

 

『霊魂の不滅』を観る。そして、息をつめて読む本。

 

▶『霊魂の不滅』を観る。

1921年制作のスウェーデン映画。

モノクロ・サイレント映画

 

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監督は、スウェーデン映画の父と称されるヴィクトル・シェストレム。

主演もシェストレム自身である。

Amazon Prime で観ることができるのだが、字幕の翻訳があまりにひどくて5分で挫折。

(まったく日本語になっていないのだ)

YouTube を探したら、ちゃんとした日本語字幕のついた高画質の映像がアップされていたので、そちらで鑑賞。

お勉強のつもりで観たのだが、意外なことに、すごく面白かった。

 

救世軍の若きシスターが重い結核で死の床に臥せっている。

側には母親と同僚のシスターがついている。

同僚が声をかけると、瀕死のシスターが目を覚まし「デヴィッド・ホルムを連れてきて!」と言う。

驚く母親と同僚…。

 

デヴィッド・ホルムは、飲んだくれのクズ男である。

晦日の今夜も、友人たちと墓場で(!)飲んだくれている。

あと10分ほどで年が明けるという頃、デヴィッドは友人たちに「幻の馬車」の話をする。

それは、デイヴィッドの友人ジョルジュが話してくれたことなのだが、大晦日のいちばん最後に亡くなった人は、それから1年間死神の下僕となり、幻の馬車の御者として働かなくてはならないと言うのだ。

1年後、次の死者に役目を引き継ぐまで、死んだひとの魂を運び続けなければならないのである。

そして、その話をしてくれたジョルジュが昨年の大晦日に亡くなっているのだと…。

 

そんな話をしているところに、男がやってきて「危篤のシスターが呼んでいるから、すぐに来い」とデヴィッドに声をかける。

行きたくない、と断るデイヴィッド。

友人たちも「行った方が良い」と、無理やりデイヴィッドを行かせようとするのだが、いつの間にか取っ組み合いの喧嘩となり、ひとりが酒瓶でデイヴィッドの頭を殴って殺してしまう。

あわてて逃げ去る友人たち。

そこへ、幻の馬車がやって来る…。

幻の馬車から降りて来た御者は、ジョルジュだった。

「次の御者が、デイヴィッド、お前とはな…」と驚くジョルジュ。

 

ここから、フラッシュバックで、デイヴィッドのクズ人生が語られる。

働き者で、善良な夫であったデイヴィッドの転落人生である。

その転落の過程で、いま死の床にいるシスターとも知り合うことになる。

危篤のシスターが、なぜデイヴィッドに来てもらいたがっているのか、その謎も徐々に解けていく…。

 

フラッシュバックを多用したストーリー構成の素晴らしさ、二重露光を駆使したトリック撮影など、後の映画に与えた影響はかなり大きい(らしい)。

 

キューブリックの『シャイニング』に影響を与えたとされる、有名なシーン。

 


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ここは、マジで怖い。

 

亡霊となった友人が、おなじく死者となった主人公に、人生のひどい部分を見せてまわって改心させるという構成は、ディケンズの「クリスマス・キャロル」と似てるかな。

あちらより少し寒々としているのは、北欧だからか。

 

つまらなければ早回しで観ようと、じつに不埒な考えで観始めたのだが、いちども早回しすることなく観終わった。

映画史に残るような傑作に言うことばではないが、意外な拾い物だった。

それにしても、「霊魂の不滅」って邦題は少し大仰かなぁ。

 

 

 

▶ Dua Lipa の『Future Nostalgia(The Moonlight Edition)』(2021)を聴く。

 

Future Nostalgia (The Moonlight Edition)

Future Nostalgia (The Moonlight Edition)

  • Dua Lipa
  • ポップ
  • ¥2139

 

声が好き。

まあ、あれだ、声も好きって言うか、いろいろ好きなわけだ。

 


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しかし、さいきんのミュージック・ビデオは、いろんな技を駆使しているなぁ。

 

 

 

吉見俊哉著の『平成時代』(岩波新書)を半分まで読む。

 

 

平成の30年間を「壮大な失敗」の時代と位置づけ、日本がボロボロに崩れて今に至る過程を詳細に分析していく。

読んでいて辛いが、目が離せない。

息をつめて読む。

 

『フォトグラフ ~あなたが私を見つけた日』を観る。そしてラインの悪魔が戻って来る!

 

▶ 『フォトグラフ ~あなたが私を見つけた日』を観る。

2019年のインド映画。

Amazon Orginal。

 

フォトグラフ ~あなたが私を見つけた日

フォトグラフ ~あなたが私を見つけた日

  • ナワーズッディーン・シッディーキー
Amazon

 


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『めぐり逢わせのお弁当』のリテーシュ・バトラ監督作品。

 

ラフィは、貧しくさえない中年男、ムンバイの観光名所で観光客相手に記念写真を撮って生活している。

一方のミローニは、会計士を目指す美しい女子学生。

インドでは出会うはずのないふたりが、偶然出会い、静かにこころを通じ合わせていく…。

 

ラフィには、少し口うるさい祖母がいる。

両親が亡くなったあと、ラフィはこの祖母に育てられたので頭があがらない。

祖母の気がかりは、ラフィがなかなか結婚しないことだ。

ついには、「ラフィが結婚するまで医者の薬は飲まない」とへんなハンガーストライキまで起こし、困り果てたラフィは、じつは恋人がいると嘘をつく。

喜んだ祖母は、田舎から恋人(将来の嫁)を見に来ると言う。

追い詰められたラフィは、いちどだけインド門で写真を撮ったミローニを探し出し、祖母の前で恋人のふりをしてくれないかと頼み込む…。

 

なんだかドタバタ・ラブコメのにおいがプンプンするけど、まったくドタバタしない。

終始静かで穏やか。

ラフィも静かだし、ミローニも静かだし、田舎から出て来たばーちゃんだけがやたら賑やかだ。

 

雨宿りをするために、ラフィとミローニがカフェに入って、ふたりだけでチャイを飲むシーンがあるのだが、そのときラフィが言う言葉が…「コーラって好き?」って、おまえは中学生か。

「明日は、祖母は親戚の娘に会いに行くので、ふたりだけで映画とかどう?」って、しっかりデートに誘ったりするのだが、誘い方がなんかぎこちない “笑”。

誘うことになれてないラフィ。

しかし、相手のミローニも誘われることになれてないので、ふたりしてぎこちない。

観てるこちらは、保護者のような気分になる。

いつしか、ふたりとも頑張れと、幼い恋を応援している気分だ(幼くないんだけどね)。

 

傑作『めぐり逢いのお弁当』もそうだったけど、この監督は安易な結末を嫌う。

映画的なケレンを嫌うと言うべきか。

これからのふたりの前途多難な人生を予感させる終わり方は、好き嫌いが分かれるだろうけど、わたしは好きだ。

 

 

 

Cat Power の『Wanderer』(2018)を聴く。

 

 

日本語にすると「猫力」。

 


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▶わたしは、坂の上のほうに住んでいて、スーパーに買い物に行ったりするときや駅に向かう時には、坂を下る。

坂の途中に周りを草木で囲まれた家があって、たまに植木の世話をしているお婆さんと出会う。

いつからかだろうか、どちらからともなく会釈をするようになった。

そのうち、朝なら「おはようございます」、昼なら「こんにちわ」と声をかけあうようになった。

が、それ以上の会話はない。

立ち止まって世間話などしない。

ただにっこり笑って通り過ぎるだけなのだが、出合わないときには、少し寂しく感じる。

 

 

 

▶朗報ふたつ。

ひとつめ:日本のジャズレーベル「澤野工房」の音源が各種音楽配信サービスで公開されるようになった!

いまやメジャーな山中千尋も、スタートはこのレーベルなんだよなぁ(美人さんなので、とうぜんジャケ買いしましたとも)。

さっそく Spotify を覗いてみると、すでに誰かが「澤野工房」の音源でプレイリストを作っていた(仕事が早い!)。

 

 

ふたつめ:『幼女戦記』のシーズン2が制作決定だ!

 


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ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐が還って来る!

 

 

オリジナル版 VS リメイク版 #1 『パピヨン』

 

▶ひとつの映画のオリジナル版とリメイク版を観比べてみる。

まずは、名作『パピヨン』。

 

 

オリジナル版

 

 

1973年制作のフランス映画(フランス資本のハリウッド映画)。

監督:フランクリン・J・シャフナー

脚本:ダルトン・トランボ

主演:スティーヴ・マックイーンダスティン・ホフマン

 

映画には、誰にも文句を言わせないほどの傑作が何本か存在するが、この『パピヨン』も、間違いなくそのひとつである(キッパリ!)。

身に覚えのない殺人の罪で南米ギアナの刑務所におくられるパピヨン(胸に蝶のタトゥーがある)と、天才的な贋金作りのドガダスティン・ホフマン)。

失敗しても失敗しても、自由を求めてなんども脱獄を繰り返すパピヨンの行動が物語の主軸だが、それに絡むドガとの友情物語でもある。

このパピヨンドガとの友情が泣かせる。

もしふたりの間の友情が描かれてなかったとしたら、この映画は、これほどの傑作にはならずに、よく出来たアクション映画のひとつで終わっていたはずだ(キッパリ!)。

ちなみに原作では、ドガという人物は刑務所仲間のひとりとして出てくるだけで、すぐに消えてしまう(原作読んでがっかりしたわ)。

それを、パピヨンと同等の相棒として描いたところは、さすが名脚本家ダルトン・トランボ

そして、なによりS・マックイーンとD・ホフマンの演技の凄さよ。

若い頃は、マックイーンかっけーと思いながら観ていたが、何回も観ているうちにダスティン・ホフマンの凄さに感嘆するようになった。

撮影とうじ30代半ばなのに、すでにいぶし銀感が凄い。

 

この傑作をまだ観てなくて、観るかどうするか迷っているひとがいたら、「観ろ!迷わず観ろ!」と耳元で100回くらい叫びたい。

 

 

リメイク版

 

 

2017年制作のアメリカ映画。

監督:マイケル・ノアー

脚本:アーロン・グジコウスキ

主演:チャーリー・ハナムラミ・マレック

 

パピヨン』がリメイクされると聞いたとき、マジかよ!って思った。

映画の中には、リメイクしたらいけいな映画ってのがあるんじゃないのか?

監督のマイケル・ノアーって誰だよ?

オリジナルが大傑作なんだから、どう頑張ってもしょぼい作品になるに決まってるじゃないか!

だいたいS・マックイーンとD・ホフマンに匹敵する役者がいるのかよ?

もうね、否定的な考えばかりが頭に浮かびましたね。

で、観てみた、リメイク版『パピヨン』。

 

 

これは、オリジナル版を観てるかどうかで評価はかなり違うなぁ。

観てなければ、これはこれで “あり” じゃないか。

ストーリーはそのままなので、素直に感動すると思う。

が、先にオリジナル版を観てると、違いがかなり目についてしまって、どうしても低評価になってしまう。

 

まず、劣悪な環境の刑務所とか、南米ギアナのジャングルとか、食器などの小物とか、すべてがきれいなので驚く。

こざっぱりとしてると言うか、オリジナル版を観たあとで、リメイク版の刑務所をみると、「おっ、意外にきれいなとこじゃん」とか思ってしまう。

オリジナル版にあふれていた、汗とか血とか糞尿の匂いを、きれいにぬぐった感じ。

主演のふたりからも汗臭い匂いは漂ってこなかった。

現代では、そういうキツイ部分はきれいにしないとダメなのかも知れない。

ハンセン病の長老と会うシーンは、まるごとカットされてたし。

 

で、これは言ってもしょうがないことだけど、やはり役者の技量(巧さ)が違い過ぎる(こういうことを言うと軽く老人臭が漂うのは承知している)。

ダスティン・ホフマンが演じるドガは、途中からもはやドガ以外の何者でもなくて、D・ホフマンの存在など感じさせないのだが、ラミ・マレックの演じるドガは、最後までラミ・マレックの演じるドガで、「ラミ・マレック、けっこう巧いな」とか思ってしまっていて、そういうところにD・ホフマンの凄さを感じてしまう(言ってることわかるかなぁ…)。

とくにラストシーン。

D・ホフマンのドガは、人生に対する諦念のようなものを体ぜんたいに漂わせていて、ドガの最後の台詞を聞く前から、観てるひとにはその台詞が想像できるくらいなのだが、ラミ・マレックドガは、疲れは感じさせるがそれが諦めまでには至っていないというか、まだまだ元気なんだよねぇ。

あらためてダスティン・ホフマン巧いなあって思った。

パピヨンを演じていたチャーリー・ハナムは、わるくなかった。

マックイーンのパピヨンとは、また別の魅力があったような気がする。

マックイーンよりかなり陽性な感じがして、これはこれで好き。

 

でも、このリメイク版をさいしょに観て、それから翻ってオリジナル版を観たりするだろうか?

おそらく、大半のひとがこのリメイク版で満足してしまうのではないか。

それくらいには、面白いのだ。

オリジナル版を愛するものとしては、少しかなしいことだけど。

リメイク版は、時として、オリジナル版への道を閉ざしたりするのかも知れない。

 

 

 

 

 

 

さいきんAmazon Prime で観て面白かった映画2本。そして世渡り上手な猫。

 

▶さいきんAmazon Primeで観て、面白かった映画2本。

 

1本目:『マイ・プレシャス・リスト

 

 


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2016年制作のアメリカ映画。

主人公のキャリー(ベル・パウリー)は、IQ185の天才少女で、ハーバード大学飛び級で卒業し、いまはロンドンの父親から離れてマンハッタンでひとり暮らしをしている。

本だけが友達で、話し相手はセラピストのおっちゃん(父親の友人)のみ。

季節はクリスマス、街中のひとが誰かと夜を過ごしたくなる時期なのに、キャリーには友達も恋人もいない。

そこでセラピストが、ひとつのリストを彼女にわたす。

晦日までにキャリーがやるべきリストだ。

デートに行く、友達をつくる、誰かと大晦日を過ごす、ペットを飼う、子供の頃楽しんだことをする、大好きな本を読む、の6項目。

「一日中ベッドにいても幸せにはなれない」とセラピストに言われて、むかつきつつもそのリストを少しずつ実行していくキャリー…。

 

主演のベル・パウリーは、美人ではないけど魅力的。

ブコメ的要素も少しあって、観ていて楽しい。

こういうのは定期的に観たくなる。

汚れたこころを浄化する感じ?

 

 

2本目:『ヴィンセントが教えてくれたこと』

 

 

 


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典型的な貧乏白人の老人ヴィンセント(ビル・マーレイ)の隣にシングル・マザーのマギー(メアリー・マッカーシー)とその息子オリヴァー(12歳の優等生)が引っ越してくる。

仕事で夜が遅いマギーからベビーシッターを頼まれたヴィンセント(ちゃんと金はとる)だったが、なにしろちょい悪ジジイなので、ギャンブルやバーでの振舞い方、喧嘩の仕方などろくなことを教えない。

でも、(こういう映画のお約束だが)年の差を越えて、徐々に仲よくなっていくふたり。

オリヴァーの目を通して、現代の聖人であるヴィンセントの真実の姿が描かれていく。

 

これも観ていて気持ちの良い映画だった。

グラン・トリノ』+『セント・オブ・ウーマン』って感じ。

あれほどヘビーなテーマ性はないが。

 

 

 

Deep Purple の『Machine Head』(1972)を聴く。

 

Machine Head

Machine Head

  • ディープ・パープル
  • ハードロック
  • ¥1324

 

さいしょに聴いたのは、たしか不良の久米くんの部屋だ。

シングルの「Highway Star」を聴いて、かっけー!とぶっ飛んだ。

その後、スケベな中西くんの部屋でこのアルバムを聴いたのではなかったかな。

ひさしぶりに聴き返したが、やっぱ、かっけー!

 


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どちらの曲も、歌詞はむちゃくちゃくだらない。

訳詞を読んでがっくりきた記憶がある。

その反動で、わたしはボブ・ディランが好きになったのかも知れない。

 

 

 

▶ウチのちかくを徘徊しているノラ猫が何匹かいるのだが、そのうちの1匹がえらく太っている。

あの太り様はノラじゃないのかな?と思っていたのだが…今日、仕事帰りのOLらしきひとから餌をもらっているのを目撃してしまった。

わたしがニャーと声をかけても知らんぷりなのに、そのOLさんには、なんと自分から文字通り猫なで声を出して近づいて行ったのだ。

そしてチュールをぺろぺろ。

かなり世渡り上手な奴だな。

 

『月世界旅行&メリエスの素晴らしき映画魔術』を観る。そして、誰かに軽く叱られそうなこと。

 

▶『月世界旅行&メリエスの素晴らしき映画魔術』を観る。

2011年制作のフランス映画。

Amazon Primeで視聴。

 

 

娯楽映画の始祖、ジョルジュ・メリエスの生涯と、その代表作である『月世界旅行』のフィルム修復作業を追ったドキュメンタリー作品。

修復された着色版の『月世界旅行』も観ることができる。

 

1993年にスペインで着色版(フィルムをひとコマずつ手作業で着色した疑似カラー版)の『月世界旅行』が発見される。 

発見された時点でフィルムの劣化がはげしくバラバラの状態だったのだが、10年以上におよぶ修復作業を経てついに復元に成功。

その気の遠くなるような努力の過程は、観ていてホーッとため息をつくほど凄い。

 

月世界旅行』は、1902年に作られた世界最初のSF映画である。

天文学会の教授6人が砲弾型のロケットに乗りこみ、大砲で打ち出されて月へ向かう。

月では、月の住人とコウモリ傘で(!)闘い、再び砲弾型ロケットで、今度は地球の海に落下して帰還する。

アポロ計画ですね。

月についてからの天文学会会長(メリエスが演じている)の無双状態が面白くて、いつもニコニコしながら観てしまう。

通常のモノクロ版は、著作権フリーなので、YouTubeでいつでも観ることができるが、やはり着色版と比べると見劣りする。

着色版は、なんだかすごく可愛くなっていて、モノクロ版を観たひとも一見の価値ありである。

 

映画草創期の偉人、ジョルジュ・メリエスは、こんな顔をしている。

 

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 マーティン・スコセッシの『ヒューゴの不思議な発明』では、メリエスベン・キングズレーが演じていたけど、似てますね。

 

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竹内まりやの『Expression』(2008)を聴く。

 

 

ベスト版。

ブラジルでは、竹内まりやの「プラスティック・ラヴ」を知らない人はいない、という記事を読み、聴いてみた。

気恥ずかしくなるくらいシティポップ!

 


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うしろで旦那がスゲー声張り上げてる…。

 

 

 

▶「観る」「聴く」「読む」「食う」「寝る」「賭ける」…この6個の単語でわたしの毎日、って言うか、わたしの人生は成り立っている。

これ以外のことはしてこなかった。

ん?「働く」が抜けてるが、間違ってはいない。

わたしの人生において、「働く」ことは常に苦痛いがいのなにものでもなかったのだ。

楽しいこと、自分の好きなことを仕事にしている時期もあったのだが、そのときですら、わたしにとって、「働く」ことは絶えられないほどの苦痛だった。

不労所得で生きていくことが、若いときからずっとわたしの理想なのだが、これってクズな発想なのかな?

誰かに軽く叱られそうだが。

とりあえず、妻には叱られ済である。

 

 

『ムンバイのバイオリン弾き』を観る。そして、「右に歩く」人たち。

 

▶ 『ムンバイのバイオリン弾き』を観る。

2016年制作のインド映画。

Netflix のオリジナル作品ではないが、いまのところNetflixでしか観れないみたい。

 

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主人公は、冴えないバイオリン弾き。

映画の劇伴録音が主な仕事である。

狭いアパートで妻と二人暮らし。

妻が出かけた後、食器を洗い、洗濯物をして、壁のゴキブリを叩き殺し、仕事へ出かける。

 

ちいさなスタジオでの仕事を終えて駅で電車を待っていると、向かいのホームにいる男が、じっとこちらを見ていることに気づく。

けして視線をはずそうとはせず、電車が来てもそれに乗ろうともせず、ただじっと見つめてくる…。

気味が悪くなった主人公は、売店の陰に隠れて様子をうかがう。

電車が通り過ぎたあと、謎の男の姿が消えたのでほっとしたのだが、こんどはいきなり目のまえに現われる。

そして、「わたしのところで仕事をしないか?」と誘ってくる。

提示されたギャラは、通常の2倍だ。

妻に相談しようと電話をかけるがつながらず、迷った末に男の誘いにのって一緒の電車に乗ることにする。

電車のなかで、仕事の内容についていろいろ質問するのだが、男は何ひとつまんぞくに答えようとしない。

怪しく、不穏な空気が漂う…。

ここまでで開始から約30分…事件らしい事件は起きず、いささか長いが、このあとラストまでは目が離せなくなり、息をつめて観てしまった。

あまりに意外な展開に驚く。

主人公の奏でるバイオリンが美しく哀しい。

ラストは、少し謎だが、奇妙な味が漂っていて悪くない。

 

全編70分と短い映画だけど、うーん、インド映画もここまで来たか…って感じの作品だった。

 

 

 

▶『ムンバイのバイオリン弾き』のなかで、ムンバイ駅のアナウンスが流れるんだけど、「ホームを移動するときは、線路を横切らずに階段をご利用ください」と言ってて、笑った。

インドに行ったひとはわかると思うが、かれらは平気で線路に飛び降りてホームを移動するのだ。

危険に対するハードルが、日本人と比べるとめちゃくちゃ低い。

 

 

 

▶「右に歩く」というモーションデータだけを使って、世界中の3Dアーティストが作品を作った。

それぞれ個性があって、面白い。

 


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ディストピアっぽいものが多いなあ。