▶あるミュージシャンが、自分にとって政治的に嫌な発言とか、あるいは差別的発言をしたときに、「こんな人だったなんて、がっかり!」と、そのミュージシャンの楽曲をiPodから消去したり、あるいはCDを廃棄したりするというのは、けっきょく、その人にとって、そのミュージシャンなりその楽曲なりが、その程度のものでしかなかったと言うことだな。
わたしは、ボブ・ディランやキース・ジャレットが、「トランプ大統領サイコー!」と叫んだとしても、かれらの音楽を聴き続けるだろう。
「ボブさんにも、困ったもんだなぁ」とは思うだろうけど。
かれらの音楽なしで、日常を生きていける自信がわたしにはない。
“わたしは下品だけど、わたしの音楽は美しいんだ!”と言う、映画『アマデウス』でのモーツァルトの台詞を思い出す。
▶さいきん、YouTubeで古いサイレント・ムービーを見つけては、観ている。
ここ1週間ほどは、ずっと『吸血ギャング団(les vampires)』。
1915年制作のフランス映画。
「吸血鬼」を名乗る謎のギャング団と、それを追う新聞記者の活躍を描く、全10話、7時間の超大作だ。
すっげー悪女が出てきて、めちゃくちゃ怖い(女優ミュジドラは、この役でいちやくスターになった)。
https://www.youtube.com/watch?v=DvAmgnLjwAw&list=PLc8unWGUzlmthafgwhjdsh5DXQJAP_str&index=1
この映画が制作されてから50年とちょっとで「スター・ウォーズ」なのである。
映画の進化のスピードに驚く。
▶Netflix で「オールド・ガード」というネトフリ・オリジナルの映画を観ていたら、脚本を書いたのがグレッグ・ルッカだとわかってびっくり。
グレッグ・ルッカと言えば、プロのボディガードを主人公にしたアティカス・ゴディアック・シリーズの作者である。
シリーズは、3作目の「暗殺者」と4作目の「耽溺者」でピークをむかえ、その後、妙な方向へとシフトチェンジをして、7作目の「回帰者」で終結する。
ルッカは、このシリーズを書き終えたあと、小説は書いてないみたいだなぁ。
できれば小説に戻ってきてほしいが、まあ、戻りそうにない。
アティカス・シリーズ、読み返すかな。