▶『アルプススタンドのはしの方』を観る。
2020年制作の日本映画。
すごく良い!
もともとは高校演劇の作品。
挫折した演劇部員の安田あすは、田宮ひかる、野球部をやめてしまった藤野富士夫、帰宅部で成績優秀だが友達のいない宮下恵、主要な登場人物はこの4人。
そこに、熱血教師の厚木先生と吹奏楽部部長の久住智香がからむ。
舞台は夏の甲子園大会の1回戦。
アルプススタンドのはしの方で、野球のルールがよくわからないまま母校を応援しているあすはとひかる。
それほど気合を入れて応援しているわけではない。
おくれて藤野がやってきて、ふたりに試合経過などを解説しながら会話に加わる。
少し離れたところで、帰宅部の宮下が立ったまま試合を見ている。
この4人の会話劇である。
野球の試合は、画面にはいっさい映らない。
舞台は、アルプススタンドのはしの方に固定されている。
4人それぞれに、苦い挫折感を抱えている。
それが会話を重ねるにつれて見えてくる。
最初はバラバラだった立ち位置(=気持ち)が、最終的には横一列になるのだが、その過程がじっくりと描かれるのだ。
青春映画なので、還暦過ぎのワタシにはまぶしすぎると思って、観るのを躊躇していたのだが、いやあ、久しぶりにうるうるしてしまった。
さすがに泣きはしなかったけど、最後の方は少しやばかったな。
▶The Blue Nile の『Hat』を聴く。
グラスゴー出身のバンド。
1989年のデビュー・アルバム。
英国ポップスらしい陰影のあるサウンド。
当時はよく聴いた。
30年前か…遠い目になるな。
THE BLUE NILE- The downtown lights
かれらの代表作。
懐かしい。
30年経ったら、また聴いてみよう(生きてればね)。
それまでは聴かなくてもいいや “笑”。
▶現代詩手帖の2月号を図書館で借りて読む。
ワタシは、いろんな詩を暗記しているが(と言うか、何度も読んだ結果覚えてしまっているのだが)、ある時期以降の詩は憶えられなくなった。
それがいつ頃なのかは、判然としないのだが、すくなくとも現代詩手帖に載っている詩を暗記できたことはない。
ワタシの憶えている詩は、みんな古い。
三好達治とか、中原中也とか、黒田三郎とか、好きなのは古い詩人ばかりだ。
新刊の雑誌に載っているような詩は、なんて言うか、まだ血のしたたっている肉のような感じで、飲み込むのがなかなかしんどいのだ。