単純な生活

映画・音楽・読書について、だらだらと書いている

ありふれた日常 #40 / しょぼくれジジイのモーニングルーティーン

 

▶午前5時起床。

“起床”と言っても、床から起き上がるわけではなく、しばらくは蒲団の中でぼんやり過ごす。

そのまま眠りが戻ることを期待して目を閉じてみたりするのだが、まあ睡魔が戻ってくれることはなく、やれやれと諦め気分で起き出すことになる。

で、熱くて苦い珈琲を飲みながら、しばらくネット空間を彷徨う。

ヤフーニュースで最新ニュースの見出しだけを斜め読みし、世界をわかった気になる。

YouTubeで面白そうな動画を何本か見て、時代についていけてるような気分を味わう。

更新された最新ブログを読みつつ、まったく更新ができてない自分を少し恥じる。

妻が起き出すのを待って、いつものように朝食の用意(乾麺の蕎麦50gを茹でる)。

蕎麦をすすりながら山田五郎の美術番組など観て、「朝から知的な自分」に少し酔う。

しょぼくれジジイのモーニングルーティーンである。

 

 

アルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA / ローマ』を観る。


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監督の少年時代をもとにした半自伝的映画。

メキシコのとある一家と、そこで働く家政婦の物語を、ストーリー的なケレン味を一切排除して、映像の力だけで語っていく。

冒頭の、空高く飛ぶ飛行機がちいさく水たまりに映っている映像でこころを掴まれる。

そこから、一家と家政婦の人生から目が離せなくなる。

細部まで配慮の行き届いた、まったく無駄のない映像。

この映画から受ける感動を“言葉”にするのは難しい。

映画だけが、映像だけがひとに与えることのできる類いの感動。

こういう映画の前では、ひとは黙り込むしかないのだ。

 

 

YouTubeで、ユジャ・ワン (Yuja Wang)のプロコイエフを聴く。


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ピアノ・ソナタ第7番の第三楽章。

すごく好きな演奏なのだが、ディスク化されてない(たぶん)。

8番はあるのだが。

アタックの正確さと言うか、リズム感が凄い。


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衣装がセクシーすぎるw

椎名林檎かよ。

 

 

▶U-NEXTの新入荷をチェックしていたら、カール・テオドア・ドライヤー監督の名作『裁かるるジャンヌ』(1928)がリストに入っていて、驚く。


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こんな作品が配信で気軽に観られる時代が来ようとは…。

しかい、若いひとは見向きもしないんだろうなぁ。

そう言えば、さいきんは「これだけは絶対観ておけ!(読んでおけ!、聴いておけ!)」と古典的名作を推してくる年配者って、すっかりいなくなったな。

YouTubeを徘徊していると、文学の世界ではまだまだ古典を勧めている人たちの番組がけっこうあるのだが、映画となるとほとんどない(あったとしても閑散としている)。

 

 

▶夕食のあと、珈琲を飲みながら、しばしYouTubeを徘徊する。

かなりな時間の無駄のような気もするが、まあ外を徘徊するよりはましだろう。